AIメモリー不足が中国スマホを直撃 ファーウェイ400元、シャオミ1000元値上げ
2026年10月9日、AIメモリー不足は中国の店頭価格にまで到達した。ファーウェイは数量を稼ぐ主力「nova」シリーズを値上げし、シャオミは「17 Ultra」を1000元引き上げた。シャオミの年内5回目の値上げである。同日のHP株7%急落は対照例だ——価格転嫁しても、利益率は守れなかった。
Vincent Jiang · 4 min read
中国の売れ筋スマホに400元値上げ
ファーウェイは2026年10月9日午前0時から、中価格帯の「nova 16」と「nova 16 Pro」を400元、「nova 16 SE」を200元、それぞれ希望小売価格を引き上げた1。novaシリーズは同社の販売台数を支える主力だ。デジタル系ブロガー「RD」の集計では、9月6日終了の週までに約220万台を販売し、中国国産の中価格帯で首位に立つ1。nova 16は6月に2999元で発売されたばかりで、今回の値上げは約13%の上乗せとなる12。
シャオミ+9.72% — シャオミ, up 9.72 percent todayも同日に動き、フラッグシップ「17 Ultra」の全ラインアップを1000元引き上げた。2026年に入って5回目の価格改定となる1。9月1日の値上げラッシュでは、ファーウェイ「Mate 80」やシャオミ「Mi 17」、Honorの機種がすでに数百元から1000元超の値上げを受けたと伝えられている3。これまでメモリー不足は、発注の取り消しや製品の打ち切り——399ドルのゲーム機もその一つ——という形で表面化してきた。The Inferenceが報じてきた通りだ。10月9日、不足は店頭の価格表示にまで達した。
メモリーがスマホ原価の3分の1に
ファーウェイの消費者事業トップ、余承東(リチャード・ユー)氏は、ハードウェアコストの増加額を1台当たり200ドル超とみる。「われわれの収益性に非常に深刻な打撃を与えている」14。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のサイモン・ウー氏の追跡によれば、第3四半期のDRAM契約価格は前月比20~30%、NAND型フラッシュメモリーは同15%超上昇した1。スマホの部品原価(BOM)に占めるメモリーの割合は、2024年の10~15%から現在は30~40%に膨らんだ。1000元クラスのスマホでは、ストレージのコストが本体価格の3分の1超を占める計算になる1。転嫁額は容量に比例して膨らむ。シャオミの「18 Pro」は9月、前機種より1000~3000元高い価格で登場し、1テラバイトモデルでは50%の上昇となった5。
シャオミのフラッグシップ、値上げ幅は容量に比例 最大3000元
Data
| Value | |
|---|---|
| 12GB+256GB | ¥1,000 |
| 12GB+512GB | ¥1,700 |
| 16GB+512GB | ¥2,400 |
| 16GB+1TB | ¥3,000 |
HPはすでに実験済み
同日、HPの株価は7.08%下落した 6。米IDCとオムディアの集計では、世界のPC出荷台数は前年同期比20.1%減、21.2%減。うちHP−6.91% — HP, down 6.91 percent todayは約31%減と、主要メーカーの中で最も落ち込みが大きかった 67。自社でも値上げを進めたにもかかわらず、「パーソナルシステムズ」部門の営業利益率は4.6%に圧縮され、経営陣は2027年度の業績見通し(ガイダンス)の提示を見送った 6。米IDCのジテシュ・ウブラニ氏は、チャネル(販売店)が「高価格が需要を抑え込む市場に在庫を持ち込みすぎること」を懸念していると指摘する 7。
直近8四半期分の決算提出資料が示すのも同じだ。7~9月期には売上高が12.5%増えたにもかかわらず、営業利益率はなお2024年の水準を下回ったままである 8。
HPの営業利益率、2024年水準を回復できず
Data
| 営業利益率 | |
|---|---|
| 2024年7~9月期 | 7.1% |
| 2024年10~12月期 | 6.3% |
| 2025年1~3月期 | 4.9% |
| 2025年4~6月期 | 5.1% |
| 2025年7~9月期 | 6.6% |
| 2025年10~12月期 | 5.3% |
| 2026年1~3月期 | 4.2% |
| 2026年4~6月期 | 5.7% |
値上げして販売数量を失うか、価格を据え置いて利益率を失うか。メモリー市場がいま各社に突きつけるメニューは、その2つだけだ。
メモリー不足、2028年まで既定路線
サムスン電子、SKハイニックス、米マイクロン・テクノロジー−0.64% — 米マイクロン・テクノロジー, down 0.64 percent todayは新たな生産能力のほぼすべてをAIデータセンターに充てており、民生向けの供給は当面、補充のめどが立たない 1。マイクロンは2027年の生産量の75%超をすでに引き当てており、その多くは複数年にわたるテイク・オア・ペイ(take-or-pay)契約によるものだ。メロトラ氏は需給が2026年より「暦年の2027年と2028年ではるかに逼迫する」とみる 9。トレンドフォースは、第4四半期のDRAM契約価格がさらに10~15%、NAND型フラッシュメモリーが15~20%上昇するとみている 19。
UBSは、DRAM不足が少なくとも2028年4~6月期まで続くとみている 1。希少性レント(scarcity rent)はすでにマイクロンの業績に表れている。過去最高益となった2026年度は9月3日に幕を閉じ、メロトラ氏は「2027年度はさらに好調になる」と期待を示す。スマートフォンやPC向けメモリーを販売する部門の営業利益率は9月期に88%に達し、前年同期の29%から急上昇した 10。キオクシアは7~9月期の純利益が前年同期の31倍、約1兆2700億円になるとの見通しを示している 5。
もう一つの賭けと、メモリーの請求書
明暗は相場にはっきりと分かれて刻まれている。メモリー各社は2028年まで契約で固めた希少性レントを手にする一方 9、消費者向けOEM(端末メーカー)は需要破壊の側に立つ。その筆頭が米HPで、次が中国のミドルレンジ勢だ 6。余承東氏の切り返しは「メモリー不足はむしろファーウェイの追い風」というものだ。真っ先に血を流すのは低価格帯ブランドで、ファーウェイの出荷台数は今年約8%増える一方、競合は最大で34%減る見通しだという 4。
楽観派の時計はメモリー価格が2027年下半期に落ち着くと指し 1、供給側の時計は2028年を指す 9。調査会社Counterpointリサーチによると、中国の週次スマートフォン販売台数は7月以降、2桁減が続いている 4。novaの希望小売価格はこれまで概ね天井であり、補助金で実際の取引価格は定価を下回ってきた 1。希望小売価格が試金石だ。新たな価格が定着すれば、支払うのは消費者。崩れれば、メモリー大手が2028年まで織り込んだメモリー費用の請求書を端末メーカーがかぶることになる。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



