サンディスク株2100ドル、シティ「買い」の支えはマイクロン決算 自社ガイダンスは逆を向く
米マイクロン・テクノロジーのNAND売上高が前四半期比42%増となった翌日の10月1日、米シティグループはサンディスク株への投資判断「買い」と目標株価2100ドルを維持した。この外挿の真価が問われるのが10月29日の決算だ。ガイダンス(業績予想)が示す成長率は前四半期の3分の1にとどまり、7月締め四半期の営業キャッシュフロー71億ドルのうち28億ドルは、顧客からの預かり金と未払いの税金だった。
Vincent Jiang · 3 min read
マイクロンの決算が「買い」を更新した
シティグループは10月1日、サンディスク株の投資判断「買い」と目標株価2100ドルを維持した。その前日にマイクロンはNAND事業で過去最高の141億ドルの四半期を記録していた12。根拠はこうだ。マイクロンのNAND売上高は出荷ビット量が約10%増、価格が30%近く上昇したことで前四半期比42%増となり、シティ自身が想定していた価格2割増を上回った。供給は2028年まで逼迫が続くとみられ、アナリストのアティフ・マリク氏は、データセンターがAIのキー・バリュー・キャッシュ(Key-Value Cache)処理をより安価なSSDにオフロードしていると指摘する1。
そもそもこの「買い」はマイクロンの決算発表より前から存在する。シティは9月9日にも同じ2100ドルを再提示していた3。サンディスク株の終値は10月1日が1728ドルだった1。同社は10月29日に2027年度第1四半期の決算を発表する4。
粗利率が示すのは市況であって、サンディスクではない
サンディスクはキオクシアとの合弁会社フラッシュ・ベンチャーズ(Flash Ventures)から、ウェハーをすべて原価に小幅なマージンを上乗せした価格で購入している5。そのため契約価格の上下はほぼ丸ごと粗利率に反映される。この仕組みの下、直近四半期の売上高は89億6500万ドルと前四半期比51%増、粗利率は84.6%に達し、増収の3分の2は価格によるものだった6。原価プラスのウェハーで粗利率84.6%という数字が示すのはNANDの価格であって、サンディスクではない。
第1四半期のガイダンスは103億~108億ドルで、前四半期比17.7%増を示唆する。前四半期ペースの3分の1だ46。調査会社トレンドフォース(TrendForce)は、前期に70~75%上昇した契約価格が今期は10~15%の上昇にとどまるとみる7。マイクロンは総売上高が31%増となった後、12月期のガイダンスを13%増とした2。買い手がいつでも離れていける消費者向けの売上高は、前期に32%減った6。
6四半期で19億ドルから89億7000万ドルへ ガイダンスが示す次の伸びは51%増ではなく18%増
- 売上高
- Estimate
Data
| 売上高 | |
|---|---|
| 25年度3Q | $1.7B |
| 25年度4Q | $1.9B |
| 26年度1Q | $2.31B |
| 26年度2Q | $3.03B |
| 26年度3Q | $5.95B |
| 26年度4Q | $8.97B |
| 27年度1Q予想 (estimate) | $10.55B ($10.3–10.8B) |
キャッシュの5分の2は他人カネ
第4四半期の営業キャッシュフローは71億2600万ドルだった6。うち20億9100万ドルは新ビジネスモデル(New Business Model、NBM)契約に基づいて計上した顧客からの前受金と返金可能な保証金で、このほか未払いの法人税が7億3000万ドル含まれる6。いずれも繰り返されない。サンディスク自身も、NBMによる前受金・保証金の影響額19億3800万ドルを差し引き、当四半期の調整後フリーキャッシュフローを50億3500万ドルとしている6。
営業キャッシュフロー71億ドルのうち28億ドルは保証金と未払い法人税
Data
| Part | 2026年度4Qの営業キャッシュフロー | Share |
|---|---|---|
| 顧客からの前受金・返金可能な保証金 | $2.09B | 29.3% |
| 計上済みで未払いの法人税 | $0.73B | 10.2% |
| その他すべての営業キャッシュ | $4.31B | 60.5% |
貸借対照表には未払いの法人税12億8600万ドルが残る6。第4四半期に45億2400万ドルを買い戻したうえで、取締役会は自社株買いの総枠を155億ドルへと引き上げたばかりだ。その原資は営業キャッシュフローである56。
ガイダンスが天井なら、誰が代償を払うのか
アナリスト予想の平均は、会社自身が示した天井より上にある。売上高の予想平均は106億3300万ドル、1株当たり利益(EPS)の予想平均は46.11ドルで、44~46ドルというガイダンスの上限を突き抜けている4。ガイダンスが現実のものになれば、余剰は自社株買いと、598億ドルの購入確約分を握り、うち約19%は12カ月以内に引き渡せるNBM顧客に向かう56。
そうならなければ、損失を被るのは、6月の高値2354.39ドルからすでに約27%下落した水準で株を抱える投資家だ17。売買記録には、この3カ月で1億2140万ドルの内部者による株式売却が残っている910。それが疑念の表れか、資産の分散か、提出書類は語らない。決着をつけるのは10月29日の2つの数字——売上高が108億ドルの上限に届くか、粗利率が84.6%を保てるかだ。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



