クラウドフレア、AIエージェント向け開発スタックを丸ごと買収 株価は売上高の49.5倍
クラウドフレアはDenoのランタイムチームとViteツールチェーンの開発元を買収し、自社開発のデータレイヤー「Basin」も立ち上げた。AIエージェントが自社ネットワーク上でソフトウェアを書き、実行し、保存するようになるとの賭けだ。買収額はいずれも非公開で、経営陣は成長率の見通しを31%に引き下げた。
Richard Tang · 3 min read
クラウドフレア−4.81% — クラウドフレア, down 4.81 percent todayは今、AIエージェントが書いたソフトウェアが行き着く3つの場所をすべて握った。それを作るツールチェーン、動かすランタイム、そして成果物を保存するデータベース。AIコーディングエージェントがどこで開発するかをめぐる意図的な領有宣言であり、売上として計上される実態がまだ生まれていない段階で、市場に前払いを求めている。
ツールチェーン、ランタイム、データレイヤーを一社で握る
クラウドフレアは10月9日、Denoのチームが加わると発表した。Denoがオープンソースで公開してきたWorkersモデルの実装「celld」を、同じくオープンソースのWorkersランタイム「workerd」へ統合する1。Node.jsを作ったライアン・ダール氏と、Denoの共同創業者バート・ベルダー氏がセルフホスティング(自前環境での運用)の取り組みを主導する。Denoのランタイムと、Workersと競合してきたホスティングサービス「Deno Deploy」は段階的に終了する2。買収額は公表されていない。Denoはこれまでに2600万ドルを調達していた2。
その前に加わったのが、Viteの作者エヴァン・ユー氏が率いるVoidZeroだ。同社は6月にクラウドフレアへ参加している3。VoidZeroの「Vite+」1.0は、JavaScriptランタイム、パッケージマネージャー、テストランナー、バンドラーを1つのコマンドでまとめて管理する仕組みで、9月28日に公開された3。このリリースは週あたりのダウンロード数が200万件に迫っている4。
クラウドフレアが自社開発した「Basin」は10月1日に一般提供を開始した。データをオープンな「Apache Iceberg」形式で同社のストレージ「R2」に蓄えるサーバーレスの分析プラットフォームで、転送料金はかからない56。ドキュメントにはエージェント向けのセットアップ手順や、機械が読む前提で書かれた「llms.txt」ファイルが並ぶ5。
「脱出経路」を保守するのは当の門番
Workersのプリンシパルエンジニア、ケントン・ヴァルダ氏はロックイン(囲い込み)批判を退ける。workerdは本番環境で動いているコードそのもので、オープンソースだ。「オープンソースでいて、ユーザーに脱出経路を与えるのは良いビジネスだ」1と同氏は話す。ただし同氏は、workerdの「Durable Objects」――このモデルを強力にしている、SQLiteデータベースをそれぞれ備えた個別にアドレス指定できる小さなサーバー――について、単一インスタンスを超えてスケールしたことはないと認める1。
事実上、クラウドフレアのネットワーク外でWorkersモデルを動かす唯一のホスティングサービスは消えた。脱出経路は今後、当のクラウドフレア社員の手で作られる。workerdはどこでも無償で動かせる。一方、クラウドフレアに収入が入るのは、コードが同社のネットワーク上で動いたときだけだ。つまり脱出経路があったからといって、課金できたはずの収入を同社は一切失わない。そしてその保守チームには、いまや同社が給料を払っている。
先に支払うのは市場、売上の計上は後
経営陣は2025年2月、AIを「クラウドフレアWorkersのキラーアプリケーション」と呼んだ7。売上高成長率は2026年第2四半期に再加速して36%となった7。ただし経営陣は翌四半期について、31%へ再び鈍化するとの見通しを示した7。既存顧客の売上高純継続率は120%だ7。
エージェントスタックを組み上げる中で売上成長率は再加速
- 売上高成長率(前年同期比)
- Estimate
Data
| 売上高成長率(前年同期比) | |
|---|---|
| 24年7~9月期 | 28.2% |
| 24年10~12月期 | 26.9% |
| 25年1~3月期 | 26.5% |
| 25年4~6月期 | 27.8% |
| 25年7~9月期 | 30.7% |
| 25年10~12月期 | 33.6% |
| 26年1~3月期 | 33.5% |
| 26年4~6月期 | 35.9% |
| 26年7~9月期 (estimate) | 31% |
先に払っているのは市場だ。年初来の株価リターンは76.4%7、売上高の49.5倍で取引されている7。一方で同社は過去12カ月間、いまだに売上高の8.1%に相当する営業損失を計上している7。
クラウドフレアは製品別の売上高を開示していない7。このため、ダウンロード数は開発者がツールを採用しつつあることを示す一方で、それが収入として計上されたことを裏付ける提出書類はまだない。エージェントが書いたコードから課金される利用に至る連鎖は実在し、その大半は今やクラウドフレアの手中にある。ただ、誰もまだ実証できていないのは最後の輪だ。第3四半期決算は11月5日の引け後に発表される9。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



