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Fastly、AIクローラーを企業別に課金 クラウドフレアの「ペイ・パー・クロール」に対抗

新興企業Supertabの「Supertab Connect」がFastlyのエッジクラウド「Fastly Compute」上で稼働を始め、出版社はAIクローラーごとに企業単位で許可、遮断、課金を選べるようになった。クラウドフレアが自社ネットワークで複数用途のクローラーの遮断を標準設定にしてから、数週間後のことだ。新製品群はまだ収益を生んでおらず、その額が初めて分かるのは11月4日の決算発表だ。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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データセンターの通路に並ぶサーバーラック。Fastlyがクローラー通信を計量・課金するエッジ基盤の一例
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データセンター内の通路。Fastlyの計量・課金製品は622Tbpsのエッジネットワーク上で動き、2026年半ばにはこのネットワークで機械トラフィックが全リクエストの半分を超えた

クローラーごとに料金所、3時間で稼働

Fastly+5.66% — Fastly, up 5.66 percent todayのネットワークに載る出版社は今、OpenAI$1.18T — OpenAI, private, latest valuation $1.18Tのクローラーには料金を提示し、Anthropic$350B — Anthropic, private, latest valuation $350Bのクローラーは遮断し、Googleのクローラーは通せる。この振り分けは、リクエストが出版社自身のサーバーに届く前のエッジ側で済む。コンテンツの機械による消費を計量・課金する新興企業Supertabの「Supertab Connect」が、2026年10月12日、Fastlyのエッジクラウド基盤「Fastly Compute」上で稼働を開始した1。

このサービスはボットの背後にある企業名を突き止め、「クローラー認可プロトコル(Crawler Authorization Protocol)」に基づくライセンスのトークンを照合する。オープンなライセンス規格「RSL(Really Simple Licensing)1.0」の下で機械可読の利用条件を示す仕組みで、導入には2~3時間かかるだけで、DNSの変更も不要だ1。その翌日、Fastlyは同じ発想の企業向けサイドとして、9月に一般提供を開始したエージェント向けトラフィック製品「AI Runtime Control」「AI Firewall」「API Security」に加え、インドでのJioCDNとの提携拡大を発表した234。

既存設備の上に載る課金メーター

Fastlyの脅威分析レポート「Threat Insights 2026」によると、ボットは全トラフィックの49%超を占める。Fastly自身のネットワークでは、機械が生成したトラフィックが7月と8月に全体の半分を超えた。AIトラフィックは1~5月、人間によるトラフィックの6.5倍のペースで伸びていた12。622Tbpsのこのネットワークはすでに1日に5兆件超のリクエストを処理しており、Fastlyの料金は大部分がトラフィック量に連動する。かつては純粋なコストでしかなかったエージェントからのリクエストに、いまや値札が付く25。

証券会社オッペンハイマーのアナリスト、パラム・シング氏は2026年10月9日、Fastly株を「アウトパフォーム(outperform)」に格上げし、目標株価を35ドルとした。株価は16%近く上昇して29.30ドルとなった45。同氏の格上げは、9月に一般提供に至ったばかりで、なお目立った収益貢献のない製品にかかっている5。7~9月期の売上高見通しは1億8400万~1億9000万ドルで、4~6月期の市場予想超えに続く形だ。同四半期は売上高1億8332万ドル、前年同期比23.3%増と市場予想を5.4%上回り、2026年通年の見通しは7億3200万~7億4600万ドルへ引き上げられた6。

Fastlyの売上高、AI製品の投入で伸びが急化 見通しも延長

  • 売上高
  • Estimate
$0M$50M$100M$150M$200M24年7~9月24年10~12月25年1~3月25年4~6月25年7~9月25年10~12月26年1~3月26年4~6月26年7~9月(見通し)$184–190M$183.32M
Data
売上高
24年7~9月$137.21M
24年10~12月$140.58M
25年1~3月$144.47M
25年4~6月$148.71M
25年7~9月$158.22M
25年10~12月$172.61M
26年1~3月$173.02M
26年4~6月$183.32M
26年7~9月(見通し) (estimate)$187M ($184–190M)
Fastlyが米証券取引委員会(SEC)に提出した資料に基づく四半期別売上高(100万ドル単位)。最後の棒は2026年7~9月期の経営側見通しの中間値。6,8

この市場のルールを先に定めたのはクラウドフレア

規模で上回るライバルのクラウドフレア+6.62% — クラウドフレア, up 6.62 percent as of its last quoteは、ペイ・パー・クロールの市場をすでに運営してきた。2026年9月15日からは既定の設定で複数用途のクローラーを、広告を掲載するあらゆるページから締め出している。対象は検索、エージェントによる利用、学習を兼ねるクローラーだ。ペイ・パー・クロールは「ペイ・パー・ユース(Pay Per Use)」へと進化しつつある7。Supertabは提供開始に合わせたFAQ(よくある質問)で「クラウドフレアを利用していない出版社」の取り込みを狙う1。Fastlyは世界のメディア企業・出版社の相当部分を顧客に抱える1。

株高の陰に赤字と内部者売却

Fastlyは2023年後半以降、どの四半期も米会計基準(GAAP)で純損失を計上してきた。ただし営業キャッシュフローは8四半期連続でプラスが続いており、2026年4~6月期には3930万ドル+0.92% — ドル, up 0.92 percent as of its last quoteに達した8。内部者による株式売却はこの1年間で計8970万ドルに上り、買いはなかった。株式調査サイトのGuruFocusは10月16日に10.4%下落した後の終値22.47ドルに対し、適正価値を10.71ドルと試算する。ウォールストリートの投資判断は「買い」6件、「中立」6件、「売り」1件だ94。

8四半期連続のプラスでも、GAAP赤字は解消されず

  • 営業キャッシュフロー
  • 純利益
-$40M-$20M$0M$20M$40M24年7~9月24年10~12月25年1~3月25年4~6月25年7~9月25年10~12月26年1~3月26年4~6月$39.33M
Data
営業キャッシュフロー純利益
24年7~9月$5M-$38.02M
24年10~12月$5.22M-$32.89M
25年1~3月$17.29M-$39.15M
25年4~6月$25.8M-$37.54M
25年7~9月$28.92M-$29.48M
25年10~12月$22.43M-$15.5M
26年1~3月$28.87M-$20.52M
26年4~6月$39.33M-$15.59M
SEC提出資料に基づく営業キャッシュフローとGAAP純利益(100万ドル単位)。キャッシュフローは8四半期連続でプラスとなり、GAAPの損失は2026年4~6月期に1559万ドルへ縮小した。8,10

最初の検証は11月4日

シング氏は7~9月期の売上高が会社見通しの上限に達し、2026年通年の業績見通しも引き上げられるとみている。さらに、11月19日発売の「グランド・セフト・オートVI」のダウンロードでほぼ1000万ドルの売上高も見込む4。株価は年初来188%上昇した一方、アナリスト平均の目標株価は28.55ドルと、直近の終値を下回っている4。決算発表は11月4日4。この決算で、クローラーからの通行料が売上高として表れるかどうかが初めて分かる。

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