フジクラ、ルーマニア工場で309人追加削減 AI向けファイバーで時価総額520億ドル
フジクラのファイバー部門はAIデータセンター需要を追い風に過去最高の四半期決算をたたき出し、グループの時価総額は525億ドルに達した。一方、かつて5,033人を雇用したルーマニア・デジのワイヤーハーネス工場では、生産を支えてきたフォルクスワーゲン向けプロジェクトが終わりを迎え、10月にさらに309人が職を離れる。
Vincent Jiang · 3 min read
デジ工場で309人に解雇通告、1年で2回目

フジクラ・オートモティブ・ルーマニアは、ルーマニア中部クルジュ県デジの工場で309人を削減すると従業員と当局に通告した。最初の離職は10月末の見通しだ 123。約230人が退いた2025年の集団解雇に続き、1年で2回目となる 2。同工場は自動車用ワイヤーハーネスを製造し、フォルクスワーゲン(VW)グループも顧客に名を連ねる。従業員に手渡された書類は、工場の主力プロジェクトがライフサイクルの終期を迎えたとしている 12。
グループ株はスーパーサイクルを織り込み済み
今回の人員削減の主体であるフジクラの時価総額は525億ドル。直近実績利益で割った株価収益率(PER)は41倍に達する 4。フジクラは8月7日、通期の営業利益見通しを今年2回目の上方修正で3,100億円から4,320億円に引き上げ、その背景をAIデータセンター需要としている。4~6月期だけでも営業利益は過去最高の1,048億円で、前年同期比155%増だった 56。東京市場での株価は5,021円 7。
AI需要で四半期営業利益が過去最高の1,048億円に
- 営業利益
- Estimate
Data
| 営業利益 | |
|---|---|
| 従来の通期見通し | ¥310B |
| 修正後の通期見通し (estimate) | ¥432B |
| 2026年度4~6月期営業利益 | ¥104.8B |
| 通信システム部門の4~6月期営業利益 | ¥98B |
| 2026年度上期見通し (estimate) | ¥198B |
一つのグループ、二つの帳簿
利益のほぼすべてはファイバーが生んでいる。通信システム部門は、この4~6月期の一つの四半期だけで980億円の営業利益を計上し、前年同期比188%増だった。ハイパースケーラーの旺盛な光ファイバーケーブル需要が押し上げた結果だ 6。一方、デジの同社は2025年の売上高が9,070万レウにとどまり、208万レウの赤字を計上した。2027年3月期を通じてさらに落ち込む見通しだ 12。ファイバーは増強され、ハーネスは空洞化していく。

5,033人から残りわずかへ
人間の帳簿は従業員数だ。地元報道の数えでは2016年に5,033人いた工場は、2024年の平均で758人、2025年の決算では477人まで減った 12。通告された309人のうち61人は事務・補助部門が対象で、10月が終われば残るのは約170人になる計算だ 12。売上高は2024年の約1億レウから2025年は9,070万レウに減り、265万レウの利益は赤字に転じた 2。
デジのハーネス売上高、2025年に前年割れ 265万レウの黒字が赤字に転落
Data
| フジクラ・オートモティブ・ルーマニア(デジ) | |
|---|---|
| 2024年売上高 | 100M lei |
| 2025年売上高 | 90.7M lei |
| 2024年利益 | 2.65M lei |
| 2025年利益 | -2.08M lei |
デジの従業員数、2016年の5,033人から約170人へ
- デジ工場の従業員数
- Estimate
Data
| デジ工場の従業員数 | |
|---|---|
| 2016年 | 5,033 |
| 2024年平均 | 758 |
| 2025年決算 | 477 |
| 2026年10月後(推計) (estimate) | 168 |
帳簿のもう一方にも数字はある
会社側の説明では、今回の対応は受注量に生産能力を合わせるもので、経営難によるものではないという 1。実際、グループがカネを向けるのは需要のある場所だ。日米でファイバーの生産能力を約3倍にするため、最大3,000億円を投じる計画である 6。懐疑的な見方もある。Smartkarmaは「象は飛べない(Elephants Can't Fly)」と題するリポートで、上方修正後の株価評価に疑問を呈した 5。クルジュ県では、職業安定所が10月6日と7日に、採用を考えている6社が参加する解雇前の相談会を開く 8。地元当局者は、解雇される人の多くは近隣企業が受け皿になるとみている 3。
10月が決めるもの
対象となる従業員の退職は10月末に始まる 1。VW向けの仕事が完全になくなる中、デジ工場の従業員数が約170人で下げ止まるのか、それともゼロへ向かって減り続けるのか。同じく注目したいのは、ファイバー側の帳簿が利益を生み続けるかどうかだ。9月30日までの上半期は営業利益1,980億円の見通し 5。ファイバー側の帳簿は複利で膨らむ。ハーネス側に与えられたのは、10月6日の就職フェアである。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



