環球晶、14億3000万ドル調達 ひっ迫は自社決算にまだ映らず

世界3位のウェハー大手、環球晶が原材料のシリコンを買うために株を売って14億3000万ドルを調達、需要は発行額の約4倍に達した。その数週間前、マイクロンはテキサス州でのウェハー供給10年分に最大5億ドルを払い込んでいる。だが、4~6月期の損益計算書はまだ逆を向いている。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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加工済みのダイが張り付いた12インチシリコンウェハー。光を受けて虹色に輝く
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環球晶がテキサス州シャーマンで製造する12インチ(300mm)シリコンウェハー。長期契約で販売しており、2027年分は現在、再交渉が進んでいる

ウェハー大手、株を売って原料を買う

シリコンウェハー世界3位の環球晶は9月22日、社史上最大の株式売出しの価格を決定した。グローバル預託証券(GDR)5000万単位を1単位28.64ドルで発行し、総額は14億3000万ドルになる12。需要は発行額の約4倍に達した3。調達資金はまず原材料の購入に充てる1。供給側のメーカーが原材料を仕入れるために株を売るのはまれだ。そうするのは、原材料が今後さらに乏しく、高くなると読むときだ。環球晶によると、12インチラインはどの拠点も受注で満杯という1。

同じシリコンに2度払うマイクロン

カネを払い始めているのは、顧客のほうが先だ。米マイクロンは7月、環球晶のテキサス州シャーマンにある300mm工場に最大5億ドルを拠出すると発表した。10年間の供給契約と結びついた動きで、原材料調達に30億ドルを充てるプログラムの一環だ45。米ウェッドブッシュはこの契約を、次のボトルネックは完成品のメモリーではなく原料ウェハーだとマイクロンがみなした表れと分析した。需要は2028~30年に向けて上向くという4。徐秀蘭(シュー・シュウラン)会長はシャーマン工場を先端300mmウェハーの米国唯一の供給源と呼ぶ4。マイクロンはその後、2035年までの米国投資計画を2500億ドル超へ引き上げた5。

損益計算書は異を唱える

ただ、そのどれもまだ数字には現れていない。第2四半期(4~6月)の売上高は前年同期比5%減の152億台湾ドル、売上総利益率は5.2ポイント低下して20.6%だった。3年がかりの設備増強の減価償却が重しとなったためだ1。1株当たり利益(EPS)がほぼ2倍の7.9台湾ドルに伸びたのは、独ジルトロニック(Siltronic)への出資持分の時価評価益によるもので、本業のもうけではない1。1~3月期も同様で、売上高139億8000万台湾ドル、売上総利益率20.8%だった8。

価格はすでに動き始めた

株式売出しが賭ける12インチ価格の道筋――92ドルから2028年には166ドルへ

  • 12インチウェハーのASP
  • Estimate
$80$100$120$140$160$180202620272028$122$166$92マイクロンが指摘するひっ迫期
Data
12インチウェハーのASP
2026$92
2027 (estimate)$122
2028 (estimate)$166
環球晶の12インチシリコンウェハー1枚当たり平均販売価格の予測。台湾紙・工商時報(Commercial Times)の推計(TrendForceニュース、2026年9月25日)。2027年と2028年の数値は予測値。6

台湾のウェハー大手3社は8月、市販する全てのサイズのウェハーで少なくとも10%の値上げに踏み切った。3年余りぶりに足並みが揃った動きで、設備はほぼフル稼働状態にある7。2027年分の価格交渉はさらに上振れの方向だ。エピタキシャルウェハーで15~25%、研磨ウェハーで40%超、一部の二番手顧客には50%超の値上げを求めていると伝えられる6。

2027年の値上げ要求、等級別の起点は15%・40%・50%

01020304050エピタキシャルウェハー15–25%研磨ウェハー40%+二番手顧客50%+
Data
Value
エピタキシャルウェハー15–25%
研磨ウェハー40%+
二番手顧客50%+
2027年の契約価格値上げ要求(予測)。棒グラフは報じられた範囲の下端を示す(数値はラベル参照)。一部の二番手顧客への要求は50%超。台湾紙・工商時報の推計(TrendForceニュース、2026年9月25日)。6

誰もが「品薄価格」を払うわけではない

米モルガン・スタンレーは5月、株価750台湾ドルの水準で環球晶株の投資判断を「イコールウェイト(中立)」に引き下げた2。9月24日の終値は948台湾ドルで、アナリスト平均の目標株価1,039台湾ドルを下回り、2026年の高値からは約4割下の水準にある12。一方、SUMCOの社長は同じ需給のひっ迫を別の目で見る。5~10%の値上げではコストをまかなうには程遠く、新設(グリーンフィールド)型の増産も出てこない、という読みだ6。

最初の試金石は9月30日

米マイクロン・テクノロジー(マイクロン)は9月30日、会計年度第4四半期の決算を発表する。売上高約500億ドルという会社側の見通しをすでに示しており、この決算は9月19日に本紙記事が追った「メモリー飢饉」を占う次の材料となる9。この賭けの行方を決めるのは2つの数字だ。環球晶が下半期に12インチウェハーの価格をどこまで引き上げるか1、そして2027年の契約価格が4割超の値上げ要求を前にどこで落ち着くか6。飢饉はあくまで予測にすぎない。頭金は現金だ。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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