AXT株425%高を支えるインデックスマネー、受注残の鍵は北京が握る
ブラックロックの10月5日付の報告書によると、AXT株の14.3%がパッシブ運用の手にあり、S&P小型株指数連動の1本のファンドが単独で5%を超える。顧客は実際に前払金を払い込んでいるが、中国からの出荷はすべて北京の許可待ちだ。最初の試金石は10月29日に訪れる。
Vincent Jiang · 3 min read
パッシブマネーが株主名簿を握る
ブラックロックは10月5日、AXT株935万9639株――9月30日時点で発行済み株式の14.3%――を保有したと、13G/A(米証券取引委員会への大量保有報告書)で報告した。支配権に影響を与える目的の取得ではないことを確認する書類だ1。その内訳では、iシェアーズ・コア S&PスモールキャップETFが単独でAXTの5%を超え、ブラックロック保有分の3分の1超を占める1。これはインデックスの配管であって、リン化インジウムへの見方ではない。S&Pが9月21日にAXTをS&Pスモールキャップ600へ追加すれば、株主名簿はこうなる。指数連動ファンドは買わざるを得ない。実際、当日の株価は一時16.4%上昇した2。
上に積み上がるファストマネー
株を巡る売買も急騰劇に見合う。Tradrは8月13日、上級投資家向けにAXT株(ティッカーAXTI)の2倍ベア型デイリーETFを発表した。株価はこの1年で3.70ドルから143.16ドルまで振れた3。個人投資家の間では95ドルを唱える声も上がる4。AXTを保有するヘッジファンドは37から33に減った一方、残った組合はコミッテッドキャピタル(運用資金)を34%増やし、4億8790万ドルとした2。年初来425.2%高8となった今も、大口で買い続けているのはインデックスという機械だ。
顧客が実際に払い込んだ現金
需要の話には確かにドルの中身が伴う。第2四半期(4~6月)、AXTはコヒーレントから2230万ドル、Caselaから2540万ドルの前払金を受け取った。7月にはルーメンタムが6年間の生産能力の確保契約に署名した。30営業日以内に支払う4350万ドルと、条件が2028年に決まる2回目の4350万ドル――The Inferenceが10月1日に検証した契約条件だ567。InPの受注残は2027年まで続き、1億ドルを大きく上回る5。ただし前払金はいったん負債に計上され、ウエハーが出荷されて初めて売上高に変わる5。
顧客の前払い、過去最高の四半期の売上を上回る
- Estimate
Data
| Value | |
|---|---|
| コヒーレント(第2四半期の前払金) | $22.3M |
| Casela(第2四半期の前払金) | $25.4M |
| ルーメンタム(2026年分の預かり金) | $43.5M |
| ルーメンタム(2028年分・想定) (estimate) | $43.5M |
売上まであと一枚の輸出許可
AXTの基板はすべて、中国国内の3つの工場で結晶を育成して作られており、中国から出ていくすべての出荷に中国商務部の輸出許可が要る。2025年2月4日に発効した規制で、以後一度も停止されていない67。1月には輸出許可の不足を受け、業績見通しを下方修正した。AXTは8月13日提出の文書で、許可を最重要の課題と位置づけ、米国向け出荷の承認がいつ下りるかは見積もれないと説明した6。第3四半期の売上高ガイダンス6600万ドルに織り込んでいるのは、既に許可が下りているか免除対象の売上だけだ。第2四半期売上高の半分超を占める中国国内向けには、そもそも許可自体が不要となる5。預かったのはドル。売上は書類待ちだ。
売上高14倍で買うのは誰か
予想売上高倍率は14.19倍。業界平均の5.25倍に対して割高で、バリュースコアは「F」、投資判断は「ホールド」だ8。その株価は、3年間の横ばいの後に来た過去最高の四半期を1つ、足場にしたリレーティングにほかならない。
過去最高の1四半期が支える425%のリレーティング
Data
| 売上高 | |
|---|---|
| 23年Q3 | $17.37M |
| 23年Q4 | $20.43M |
| 24年Q1 | $22.69M |
| 24年Q2 | $27.92M |
| 24年Q3 | $23.65M |
| 24年Q4 | $25.11M |
| 25年Q1 | $19.36M |
| 25年Q2 | $17.97M |
| 25年Q3 | $27.96M |
| 25年Q4 | $23.04M |
| 26年Q1 | $26.92M |
| 26年Q2 | $47.59M |
10月29日が最初の正念場
強気材料は確かに存在する。売上総利益率は1年で8%から44.9%へ高まり、InP基板の生産能力倍増は計画を前倒しで進む。2026年の売上高は前年比146.4%増というのが市場コンセンサスだ 58。ただ、今の株価倍率がさらに前提としているのは「輸出許可が出続けること」であり、その見通しを経営陣自身が「予測できない」と説明している 5。AXT自身も4月22日に株式を売り出して6億3200万ドルを調達、6月末の現金は7億4880万ドルに膨らんだ 5。次の判定は10月29日の大引け後に下る。既に許可が下りた6600万ドルに対する売上高の到達度と、顧客の預かり金が初めて出荷ウエハーへと転じるかどうかである 10。
売上総利益率は1年で8%から44.9%へ
Data
| 売上総利益率 | |
|---|---|
| 23年Q3 | 10.7% |
| 23年Q4 | 22.6% |
| 24年Q1 | 26.9% |
| 24年Q2 | 27.4% |
| 24年Q3 | 24% |
| 24年Q4 | 17.6% |
| 25年Q1 | -6.4% |
| 25年Q2 | 8% |
| 25年Q3 | 22.3% |
| 25年Q4 | 20.9% |
| 26年Q1 | 29.6% |
| 26年Q2 | 44.9% |
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



