クラトスとエアバス、無人戦闘機「ヴァルキリー」を欧州で飛行 クラトス「エンジン年1万基を生産可能」、買い手は不在

クラトスとエアバスは「U740ヴァルキリー」を北欧で飛行させ、クラトスは3000基分のエンジン部品を発注した。いずれも2029年を見据えた動きだ。だが、2つの発表のいずれにも金額付きの受注はない。株価は今週、52週安値を付け、アーク(ARK)は買いを入れている。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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クラトス製のXQ-58A「ヴァルキリー」が米フロリダ州エグリン空軍基地で、ロケット助推式の発射レールから炎を噴きながら上昇していく様子。
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2023年8月、米フロリダ州エグリン空軍基地でレールから発射される米空軍のXQ-58A「ヴァルキリー」。エアバスとクラトスが10月12日に欧州で飛行させたU740ヴァルキリーは、このクラトス製ジェット機の欧州仕様機だ。

無人機は滑走路なしで飛び立った

2026年10月12日、クラトス・ディフェンス・アンド・セキュリティ・ソリューションズ(NASDAQ:KTOS)とエアバスは、無人戦闘機「U740ヴァルキリー」の欧州での初飛行を発表した。機体は滑走路が不要なロケット助推式の発射レールから離昇し、上空で機動、マッハ0.8に達し、飛行中に任務を切り替えた12。予定していた目標はすべて達成された12。両社によれば、今回の飛行で、実戦運用可能な協同戦闘機(Collaborative Combat Aircraft、CCA)を2029年までにドイツなど欧州の空軍へ引き渡す計画に遅れは出ていない12。機体の「欧州の頭脳」を担うのはエアバスのソフト「MARS」で、人間がループ上から監視に当たる12。

エアバス・ディフェンス・アンド・スペースのミヒャエル・シェルホルンCEOは、この組み合わせを「安価な戦闘物量(アフォーダブル・コンバット・マス)」と売り込んだ。「プログラム・オブ・レコード」(正式採用事業)の機体に、欧州主権のミッションシステムを組み合わせる構成だ12。機体そのものは実在のハードウェアで、離陸重量は約3トン、航続距離は5000キロメートルを超え、機内に兵器ベイも備える2。

同じ朝、「エンジン年1万基」の生産構想

クラトス−1.84% — クラトス, down 1.84 percent todayが同じ朝に出した2本目のリリースは、自社のJ85ターボジェットエンジンを称える内容だった。低コストの巡航ミサイルやデコイ(囮)、無人機を推進する小型エンジンで、ラグ(吊り金具)式、パレット式、地対地のいずれの発射形態にも対応する3。リリースは続けて、物量構想を数字で裏付けた。2027年に3000基を超えるエンジンを製造するためのロングリード(長納期)部品を発注したうえ、リリースが緊急の需要と訴える「戦争省」(国防総省の改称後の名称)向けに、クラトスによると2029年までに年1万基超を生産できる工場を持つという3。

だが、2つのリリースのいずれにも、欧州の無人機とエンジン生産ラインに関する顧客との契約、価格、納入日程は記されていない13。飛行を報じた業界メディアは、この発表が「いかなる顧客からの契約にも言及していない」と指摘した4。3000基分の発注は、クラトスが需要を先回りして部品を買っているだけで、その需要に価格は付いていない3。量産型のヴァルキリーにも量産型のJ85にも、代金を払った顧客はまだいない134。

同じドイツ案件を狙う3社のライバル

ドイツが前倒しで進める無人戦闘機計画には、対抗する入札者もいる。ボーイングと組みMQ-28「ゴーストバット」を擁するラインメタル、ゼネラル・アトミクスのYFQ-42A、そしてヘルシングのCA-1だ4。ヴァルキリーが売り込みをかけるドイツの発注は、このいずれかの陣営が獲得してもおかしくない4。

株は52週安値、アークは670万ドル買い

クラトス株は10月7日、52週安値の41.72ドルをつけた。3カ月で21.2%下落し、航空・防衛装備品セクター全体の21.5%安とほぼ足並みをそろえた。1年間では約58%値を消した567。キャシー・ウッド氏のアーク(ARK)だけは逆方向に動いた。2日前に約10万523株を買ったのに続き、10月8日には15万9918株・約670万ドル分を買い増した。資金の一部はスペースX−0.10% — スペースX, down 0.10 percent todayとAMD−3.02% — AMD, down 3.02 percent todayの売却で賄った8。下落の中でもアナリストは「買い」判定を維持しており、目標株価は68~135ドルに並ぶ7。

クラトスの四半期売上高、26年Q2に4億5880万ドルで直近12四半期の最高

$250M$300M$350M$400M$450M$500M23年Q424年Q224年Q425年Q225年Q426年Q210月7日に株価は52週安値をつけた
Data
売上高
23年Q3$274.6M
23年Q4$273.8M
24年Q1$277.2M
24年Q2$300.1M
24年Q3$275.9M
24年Q4$283.1M
25年Q1$302.6M
25年Q2$351.5M
25年Q3$347.6M
25年Q4$345.1M
26年Q1$371M
26年Q2$458.8M
クラトスがSEC(米証券取引委員会)提出資料で開示した四半期売上高(100万ドル単位)。ラベルは暦四半期で2023年Q3~2026年Q2。株価の52週安値41.72ドルは2026年10月7日、図の最終ポイントの次の四半期についた[6][7]。10,6,7

売上高は過去最高、受注はほぼ横ばい

強気派にも数字の裏付けはある。第2四半期(4~6月)の売上高は30.5%増の4億5880万ドルとなり、通期の業績見通しは17億5000万~18億1000万ドルに引き上げられた9。ただし、受注高は4億9220万ドルで、受注倍率(book-to-bill)は1.1。受注は売上高とほぼ同じ水準にとどまった。四半期の営業損益は160万ドルの赤字で、2026年上半期の営業キャッシュフローは3840万ドルの流出となった9。

クラトス、売上高過去最高の26年4~6月期は8四半期ぶり営業赤字

  • 営業利益
  • 営業キャッシュフロー
-$40M-$20M$0M$20M$40M$60M24年7~9月24年10~12月25年1~3月25年4~6月25年7~9月25年10~12月26年1~3月26年4~6月損益分岐点
Data
営業利益営業キャッシュフロー
24年7~9月$6.5M$6.1M
24年10~12月$3M$45.6M
25年1~3月$6.6M-$29.2M
25年4~6月$3.7M-$11.7M
25年7~9月$7.1M-$13.3M
25年10~12月$8.2M$12.1M
26年1~3月$4.7M-$27.4M
26年4~6月-$1.6M-$11M
クラトスのSEC(米証券取引委員会)提出資料に基づく四半期別の営業利益と営業キャッシュフロー(単位は100万ドル、2024年7~9月期~2026年4~6月期)。売上高が過去最高となった2026年4~6月期は160万ドルの営業赤字を計上し、2026年上半期は3840万ドルの営業キャッシュフローを消化した[10]。10

7~9月期決算が証明すべきこと

2つの2029年目標のどちらも、契約がSEC(米証券取引委員会)提出資料に姿を現すまでは検証できない13。ドイツからの受注か生産型エンジンの発注が実現すれば、現在の15億7000万ドルを上回る資金裏付け受注残(funded backlog、顧客が支払いを済ませた受注)か、1.1を超える受注倍率という形で数字に表れるはずだ9。クラトスは、その両方に先立って製造を続けるための資金として14億4000万ドルの現金を保有する9。いずれかの数字が動くまで、今回の飛行もエンジン工場もクラトス自身の賭けのままで、アーク(ARK)が同じポジションを保有している8。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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