停電2年連続の米レイクウッド、予備電源を正式要求 ファーストエナジーはAI需要で増益
ミーガン・ジョージ市長はオハイオ州の規制当局に、ファーストエナジー(FirstEnergy)の送電網刷新の期間中も、必要なら予備発電機も活用して送電を続けるよう同社に命じることを正式に求めた。刷新に最高9年を要するとみるのは、ほかならぬ同社の最高経営責任者(CEO)自身だ。同じ9月、州の監査でオハイオ州の電力価格が2022年以降34%上昇していたことが判明。他方で同社のデータセンター需要の見通しは25ギガワットに達した。
Vincent Jiang · 3 min read
2年連続の夏の停電、そして予備電源への正式要求
ローダーデール変電所の設備故障で、独立記念日(7月4日)前後にクリーブランド郊外のレイクウッドの数千人が停電に見舞われた。電気が止まったまま数日を過ごした世帯もある。夏に長時間停電が起きるのは、この郊外都市では2年連続だ1。「25年ここに住んでいるが、こんな経験はしたことがない」と住民のドン・ノッティジ氏は話した2。9月25日、ミーガン・ジョージ市長は州の規制当局に対し、同社のCEOが7~9年を要するとみる送電網刷新の間も、必要なら予備発電機で電力供給を維持するようファーストエナジーに命じるよう求めた3。市議会は月曜夜、同社への質疑に臨む1。
データセンターが押し上げた四半期
ファーストエナジーの4~6月期(第2四半期)の純利益は2億8800万ドル(1株当たり50セント)で、前年同期の2億6800万ドル(同46セント)から増加した。背景にはデータセンター需要の拡大がある45。
データセンター需要の見通しは第1四半期から30%増えて約25ギガワット(2500万キロワット)に達した。四半期内に2.1ギガワット分が新たに契約され、契約済みは計6.4ギガワットとなった。契約済みとパイプライン(構想段階)を合わせた需要は、7月の系統ピーク34.8ギガワットの約70%に相当する6。

資金の行き先は送配電網、利益はまだ先
同社は360億ドル規模の5カ年計画に含まれる2026年の設備投資60億ドルの計画を改めて堅持し、2030年までのコア利益の伸び率は年6~8%のほぼ最上限を目指すとしている6。米証券取引委員会(SEC)への提出資料は、カネの行き先を示している。4~6月期の設備投資は13億5000万ドルで、前年同期比9.5%増となった7。
設備投資、直近8四半期の半分で営業キャッシュフローを上回る
- 設備投資
- 営業キャッシュフロー
Data
| 設備投資 | 営業キャッシュフロー | |
|---|---|---|
| 24年7~9月期 | $1B | $0.78B |
| 24年10~12月期 | $1.29B | $1.04B |
| 25年1~3月期 | $1.01B | $0.64B |
| 25年4~6月期 | $1.23B | $1.08B |
| 25年7~9月期 | $1.32B | $0.85B |
| 25年10~12月期 | $1.17B | $1.14B |
| 26年1~3月期 | $1.26B | $0.15B |
| 26年4~6月期 | $1.35B | $0.99B |
設備投資、8四半期すべてで純利益を上回る
- 設備投資
- 純利益
Data
| 設備投資 | 純利益 | |
|---|---|---|
| 24年7~9月期 | $1B | $0.42B |
| 24年10~12月期 | $1.29B | $0.26B |
| 25年1~3月期 | $1.01B | $0.36B |
| 25年4~6月期 | $1.23B | $0.27B |
| 25年7~9月期 | $1.32B | $0.44B |
| 25年10~12月期 | $1.17B | -$0.05B |
| 26年1~3月期 | $1.26B | $0.41B |
| 26年4~6月期 | $1.35B | $0.29B |
エジソン時代の送電網、刷新の「橋渡し」なし
市によると、ブライアン・ティアニー最高経営責任者(CEO)はレイクウッドの送電網を「古すぎる」「信頼性に欠ける」「能力の限界に達している」と評し、その老朽ぶりをトーマス・エジソンの時代に例えた3。同社が8月21日に州の規制当局へ出した回答は、廃止・交換・更新の対象設備を列挙した一方で、工事が進む間に信頼できる電力供給をどう維持するかには一切触れていない、と市は指摘する3。ジョージ市長は「この2年の経験が示すように、数日に及ぶ停電は再発しかねない」と記した3。

すでに科された制裁金、すでに払わされた料金
規制当局は8月7日、違反の可能性が高いと認定し、ファーストエナジーに300万ドルの制裁金の返納を命じた。同社は、この金額を納める代わりに設備更新に充てるよう求めている 31。パフォーマンス基準の引き下げを求めた同社の申立ては、6月23日の決定で却下された 3。レイクウッドの需要家は1つ目の近代化計画で3億6960万ドルをすでに負担し、2つ目の計画では4億2100万ドルの支払いが続いている 1。信頼の欠如は今夏に始まった話ではない。ファーストエナジーは州法案ハウスビル6(House Bill 6)をめぐる汚職事件で、オハイオ州の公職者への贈賄を認めている 8。
家庭が背負うのは34%の値上がりと月15.45ドルの値上げ案
今月の州監査が指摘したのは、オハイオ州の電気料金が2022年から34%上昇したこと、規制委員会が料金審査の期限を守れていないこと、そして需要拡大とデータセンターの成長に備えた戦略計画が存在しないことだ 8。ただし監査は、値上がりをデータセンターのせいだとはしていない。一方、ファーストエナジーの提案する3カ年料金プランについて、クリーブランド周辺の標準的な家庭の請求額は3年目までに月あたり約15.45ドル増えると、州消費者カウンセル(Consumers' Counsel)は累計ベースで試算している。いずれも承認はされていない 9。
提案プランでは3年目、標準的な請求額に月15.45ドルが上積みされる
- 月額引き上げ(累計)
- Estimate
Data
| 月額引き上げ(累計) | |
|---|---|
| 1年目 (estimate) | $5.15/month |
| 2年目 (estimate) | $10.3/month |
| 3年目 (estimate) | $15.45/month |
ファーストエナジーの答えは25億ドルと謝罪
同社が挙げるのは、2030年6月までに計画するオハイオ州内の配電投資25億ドルと9月の謝罪文、そして規制当局が命じた是正策――変電所用変圧器2基、スマートメーター、鉛被ケーブルの点検で、いずれも2026年末までに完了する――だ 981。ただし、コア利益は1株当たり50セントと、前年同期の52セントを下回った 6。AIによる追い風は、現時点ではほぼ5カ年にわたる約束にとどまる。

需要のつけを誰が払うか、決めるのはコロンバス
規制委員会のスタッフは11月30日に料金プランについて報告書をまとめ、公聴会は2027年3月1日に始まる。決定が出るのは2027年4~6月期の見通しだ 96。データセンターが自らの費用を自前で負担するかどうかは、州議会でもまだ決着していない。アダム・マシューズ州下院議員は、系統コストを押し上げる側が負担すべきだとの立場だ 8。送電網はエジソンの時代のままで、需要台帳は25ギガワットに達し、請求書の宛名は今のところ一般家庭となっている。
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- 1cleveland.com, Lakewood council to question FirstEnergy on outages, rate increases, 25 September 2026
- 2The Cooldown, Ohio audit finds power bills up 34% as blackout-hit FirstEnergy customers demand relief, 25 September 2026
- 3cleveland.com, Lakewood asks PUCO to require FirstEnergy backup plan during grid overhaul, 25 September 2026
- 4Reuters, FirstEnergy quarterly profit rises on data center demand, operations focus, 28 July 2026
- 5State Affairs Pro, Data center growth behind FirstEnergy's profitable quarter, undated, collected 25 September 2026
- 6Yahoo Finance (Quartr), FirstEnergy Corp. Q2 FY2026 earnings call transcript, 29 July 2026
- 7Sharadar quarterly fundamentals, from FirstEnergy's SEC filings, retrieved 27 September 2026
- 8Ohio Capital Journal (WEWS), State audit shows Ohio energy prices up 34% since 2022, 21 September 2026
- 9cleveland.com via MSN, What we learned about FirstEnergy's three-year rate plan and Cleveland-area bills, week of 21 September 2026
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