入札なし、価格非開示、工程表なし――米ICEがビザ審査をパランティア「Foundry」へ移管
米移民・関税執法局(ICE)は、米国のビザ審査を支えるアプリケーションを競争入札を経ずにパランティアのデータ基盤「Foundry」へ移している。価格は黒塗りで、2022年の監査の指摘も未解決のままだ。ロンドンでは同じ競争なしの契約モデルが英高等法院で係争中で、アナリストは政府契約1件の解除で株価のプレミアム(割高感)が崩れかねないとみる。
Vincent Jiang · 3 min read
審査システム、担い手が交代
米ICEは10月7日、ビザ安全保障プログラム追跡システム(VSPTS)の支援を続けるために7月に予定していた競争入札を取りやめる5ページの理由説明書を公表した。運用は代わりにパランティア+4.89% — パランティア, up 4.89 percent todayの「Foundry」に移る1。VSPTSは米国のビザ判断を支える審査評価、調査結果、事件メモを保管しており、保存期間は最長25年、テロ関連の審査では75年だ1。
つなぎ契約はあっても、移管の価格は不明
現行事業者のSteampunkには9月23日、旧システムを最長2年間動かし続ける165万2240ドル82セントが発注された。ICEが並行して、移管作業を誰が担えるのかを調べているためだ1。理由説明書は価格の数字を黒塗りにし、工程表も示さず、パランティアをどう選定したのかについても説明していない1。
この業務は4月には、5年・500万~1000万ドル規模の競争入札になる見込みだった1。移管の価格がまだ何も決まっていない段階で、2年のつなぎ契約だけで見積もり下限の3分の1に相当する1。パランティアは6月、連邦政府各機関の事件ファイルを横断的につなぐHSI(国土安全保障調査局)向けエンタープライズ・レイクハウス構築でICEから約4580万ドルをすでに受け取っている1。ICEの契約条件はデータを当局の所有としている2。ただし、そのデータが載る土台はパランティアのものだ。
指摘したシステムより長く残る監査
2022年9月の国土安全保障省(DHS)監察官室の監査は、ビザ申請120件を検査し、分析官が結論を裏付けられなかった13件を突き止めた。さらに2件では、データ転送の不具合で事件メモが途中で途切れていた1。ICEは途切れの原因だった4000文字の入力上限を撤去したと説明したが、監査の3つの勧告はいずれも10月9日時点で未解決のままだった1。理由説明書は、移管がこれらの欠陥を解消するのか、そのまま引き継ぐのかについて何も触れていない1。
158倍のPERを支える成長
パランティアの2026年第2四半期の売上高は19億3500万ドルで、前年同期比93%増となった4。伸び率は2023年後半以降、四半期ごとに上がり続けている3。米政府向け売上高は90%増の8億900万ドルと全体の約4割を占めた。米民間(商用)向けは149%増の7億6400万ドルへ急伸した。2026年通期の売上高見通し(ガイダンス)は81億5000万〜81億5800万ドルに引き上げられた4。
米国顧客が売上高の8割、政府向けと民間向けでほぼ半々
- 米政府向け809M41.8%
- 米民間向け764M39.5%
- 米国外・その他362M18.7%
Data
| Slice | Value | Share |
|---|---|---|
| 米政府向け | 809M | 41.8% |
| 米民間向け | 764M | 39.5% |
| 米国外・その他 | 362M | 18.7% |
株価は直近12カ月の実績利益を基準にしたPER(株価収益率)で158.1倍と、米S&P500種の21.5倍を大きく上回る4。ゴールドマン・サックスは10月8日、投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を230ドルとした5。何がこの株を壊すのか、名前はすでに挙がっている。米民間向けの伸び率が1四半期でも100%を下回ること、あるいは政府契約の重大な打ち切りだ。政府契約は今も、発注側の都合でいつでも解約できる6。
売上高は3年間、毎四半期増え続けており、第3四半期もさらに高い見通し
- 売上高
- Estimate
Data
| 売上高 | |
|---|---|
| 23年Q3 | $0.56B |
| 23年Q4 | $0.61B |
| 24年Q1 | $0.63B |
| 24年Q2 | $0.68B |
| 24年Q3 | $0.73B |
| 24年Q4 | $0.83B |
| 25年Q1 | $0.88B |
| 25年Q2 | $1B |
| 25年Q3 | $1.18B |
| 25年Q4 | $1.41B |
| 26年Q1 | $1.63B |
| 26年Q2 | $1.94B |
| 26年Q3(予) (estimate) | $2.16B ($2.160–2.164B) |
ロンドン:基盤はすでに稼働、契約は係争中
ロンドン警視庁は今週、ボランティア部隊「特別警察(Special Constabulary)」のトップを更迭した。警視庁が合法的に行っていた業務監視の中で、パランティアの「Foundry」が、このトップが勤務用携帯電話で「1回限り表示」の画像をコピーしていたのを検知したためだ7。警察官の団体「ポリス・フェデレーション」は、監視機能の更新にパランティアのAIが含まれていたことを職員に一切知らせていなかったと主張する7。
一方、最大5000万ポンドとされる別の2年契約をめぐっては、ロンドン市長の警察担当部局が警視庁の手続きを「明確かつ重大な手続き違反」と評し、警視庁は候補としてパランティアしか検討していなかったと指摘した89。パランティアは発注を求めて訴訟を起こしており、2027年1月の審理を前に市長のテキストメッセージやメールが証拠開示のために検索されている10。アンディ・バーナム首相は、労働党議員や労働組合から同社の政府契約を打ち切るよう圧力を受けている7。
行方を分ける3つの材料
焦点は3つある。ICEがまだ出していない移行契約の発注先1、警察がすでに運用している基盤を都市が拒否できるのかを問う1月の審理10、そして21億6000万ドルのガイダンスと対比した第3四半期の売上高4だ。ファイルは、記録された本人よりも長く残る。その居場所を決める文書はわずか5ページで、価格は黒塗りだ1。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



