オラクルが買ったのは「支払いを遅らす権利」。2028年の期日を担うのはブルームエナジーとブルーオウル

オラクルは9月24日、ジュピター計画(Project Jupiter)が2028年の稼働期日を外した場合に支払いを延期できる契約文言を通告した。その通知でヘッジしたはずの2.4ギガワットの発注を、直後にあらためて確約した。直近5営業日の値動きが、この期日の引き受け手が誰かを示している。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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ガラス張りのオフィスビルの外、舗装面に設置されたブルームエナジー製燃料電池サーバーの一列
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ブルームエナジーの燃料電池サーバー。不可抗力通知が2028年の稼働期日をヘッジした後、オラクルは9月29日、ジュピター計画の2.4ギガワット発注を再確認した。写真の「箱」がその発注の中身だ

合図:1日の取引で1週間分を取り戻すブルームエナジー

ブルームエナジーは9月29日、一時13%上昇した。米ニューメキシコ州サンタテレサ近郊で建設が進む人工知能(AI)拠点、ジュピター計画を支える2.4ギガワットの燃料電池発注をオラクルが再確認したためだ15。この日の上昇には、もう一つの文書も効いた。ブルームエナジーが米カリフォルニア州フリーモントで、すでに稼働している16万4000平方フィートの工場にほぼ匹敵する15万8000平方フィートを追加で確保したことが分かったためだ2。相場を引き上げた当のオラクルの株価は、その安心材料を示した日に約1%下げた3。

振り返り:通知1通、5営業日

9月24日、オラクルは建設業者スタック・インフラストラクチャーの親会社ブルーオウル・キャピタルに不可抗力通知を送り、キャンパスが計画通り2028年に稼働しない場合に支払いを延期する権利を確保した5。オラクル株は3.5%安で引け、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は過去最悪の水準に達した。ブルーオウル株は3.6%下落し、ブルームエナジー株は一時7%下げた857。アームも約7%下げて305.50ドル近くまで下落した。下げはもっぱら連想によるものだ。同社のアーキテクチャーはオラクルのクラウド向けプロセッサーの基盤となっており、キャンパスが延期されれば、それを満たすはずのCPU需要も延期される6。

キャンパスを巡る建設融資は約180億ドルで、この時すでに額面100ドルにつき89~91ドルで値がついていた5。ブルームエナジー株は9月25日、オラクルが2.4ギガワットについて「コミットし続ける」と表明したことで8.7%反発した4。ところが28日には8.7%下落し、戻りを消した。通知が資金調達への懸念を呼び戻し、融資は額面100ドル当たり90ドルを割る水準で取引されたためだ9。

オラクルの書類がサプライヤーを動かし、当のオラクル株はほとんど動かず

-1001020オラクル、9月24日(終値)アーム、9月24日(一時)ブルームエナジー、9月24日(一時)ブルームエナジー、9月25日(終値)オラクル、9月25日(一時)ブルームエナジー、9月28日(終値)ブルームエナジー、9月29日(一時)8.7-8.7不可抗力通知が届く2.4ギガワット発注を再確認
Data
1日変動率
オラクル、9月24日(終値)-3.5
アーム、9月24日(一時)-7
ブルームエナジー、9月24日(一時)-7
ブルームエナジー、9月25日(終値)8.7
オラクル、9月25日(一時)-1
ブルームエナジー、9月28日(終値)-8.7
ブルームエナジー、9月29日(一時)13
各取引日に報じられた株価変動率(%)。(終値)は終値ベースの変動、(一時)は場中につけた最大幅の変動を示す。アームはジュピター計画の契約を保有しておらず、データセンター向けCPU需要への連想で取引されている。1,3,4,5,6,7,8,9

構図:選択肢はオラクルが握り、期日を背負うのはほかの全員

通知はオラクルにとっては日常的な手続きであり、それ以外の全員にとっては重くのしかかる。書類一通で支払いを遅らせる権利を手にしたのだ。ブルームエナジーの受注残高、ブルーオウルの建物、そして180億ドルの建設融資を抱えるデスクは、いずれも2028年を抱えた持合い状態にある。工程表は、彼らの誰一人コントロールできない許認可の上に成り立っている。

ニューメキシコ州環境局は、2462メガワットの燃料電池マイクログリッドをめぐる大気許可の判断を11月23日までに下す。この許可なくして建設には着手できない10。燃料電池にガスを供給する導管は供給時期が8月から2027年2月にずれ込み、連邦規制当局もいまだ建設を認可していない10。マイクログリッドの開発事業者は7月、州に対し、11月から毎月3億2500万ドルの損失を被りかねないと伝えていた10。

天秤のもう一方:各社とも「何も変わっていない」

オラクルは、この種の通知はこの規模のプロジェクトでは日常的なもので、それだけで「プロジェクトの遅延が確定するわけではない」と説明した10。スタック・インフラストラクチャーは、各社の足並みは「完全にそろった」ままで、通知は「資金面のコミットメントを変えるものではない」と強調した5。ブルームエナジーは、マイクログリッドの建設状況や試運転(コミッショニング)の時期に関する質問には答えず、SNS上の声明を参照するよう求めた10。各社の声明が語るのは意思だ。期日を決めるのは許可である。

分岐点:2028年を値付けするのは11月23日

許可が下り、2027年初めまでにガスが流れ始めれば、通知は書類の域を出ず、融資側は額面どおりの返済を受ける。どちらか一方でも遅れれば、直前の5日間、オラクルの再確認を材料に売買されてきた当の相手方に対し、通知で確保した支払いの繰り延べ権が発動する。月3億2500万ドルは、誰かの損益計算書に計上されることになる。2028年を占う次の確かな材料は、11月23日までに示される州の判断だ10。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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