PG&E、設備投資20億ドルを繰り延べ 大口の新規接続を制限 730億ドル計画が試金石
カリフォルニア州議会の会期が、計画の前提だった山火事責任の制度改革のないまま終了した2日後、PG&Eは戦略見直しに着手した。2027年の設備投資からは20億ドルを繰り延べ、当初枠1.6ギガワットを超える大口の新規需要の受け入れも先送りした。2030年までの730億ドル計画が見直しを生き残ったのか、第3四半期決算説明会がその答えを出す。
Vincent Jiang · 3 min read
実際の遮断はごく一部、より大きな遮断は紙の上
PG&Eは17郡の約1万2200の顧客に対し、10月9日から週末にかけて安全のための送電停止(パブリックセーフティ・シャットオフ)が実施される可能性があると通告した1。だが土曜午後の時点で実際に停電していたのは、5郡のごく一部だった2。より大きな「遮断」は、すでに9月2日、紙の上で起きていた。
計画が前提とした法律は、ついに来なかった
7月23日の決算説明会でPG&Eは、2030年までの730億ドル規模の計画を示した。うち160億ドルがレジリエンス(耐災害性)強化、230億ドルが設備増強と新規事業で、州議会から建設的な結論が出ることを前提にしていると説明した4。しかし会期は8月31日、改革のないまま終わった。上院の修正案で株価が20%下落した後、同社は戦略見直しに着手し、2027年の計画を134億ドルから114億ドルへ縮小。当初枠の1.6ギガワットを超える大口の新規需要の受け入れを先送りし、2027年より先の5カ年計画と成長率の提示も取りやめた3。
設備投資こそエンジン、そのエンジンが止まった
設備投資は、上半期のコア利益の増加分1株当たり0.19ドルのうち0.09ドルを押し上げ、同利益を1株当たり0.83ドルに高めた4。負債は時価総額の231.2%に達し、S&P500種株価指数の21%とは大きな開きがある。株価収益率(PER)も8.8倍と、指数の21.5倍を大きく下回る4。
PG&Eの四半期設備投資は26年1〜3月期に33.6億ドルでピーク、27年計画は20億ドル縮小
Data
| 四半期別設備投資 | |
|---|---|
| 23年7〜9月 | $2.42B |
| 23年10〜12月 | $2.61B |
| 24年1〜3月 | $2.64B |
| 24年4〜6月 | $2.3B |
| 24年7〜9月 | $2.61B |
| 24年10〜12月 | $2.83B |
| 25年1〜3月 | $2.64B |
| 25年4〜6月 | $3.07B |
| 25年7〜9月 | $2.93B |
| 25年10〜12月 | $3.16B |
| 26年1〜3月 | $3.36B |
| 26年4〜6月 | $2.97B |
大口需要に与えられたのは下限、上限ではない
割り当てには「製品」がある。導入2年目の「フレックスコネクト(Flex Connect)」は、大口顧客に確実な下限と、状況に応じて変わる上限を与える仕組みだ。通電までの期間は数年から数カ月に縮む。ただし系統が逼迫すれば供給を絞られる。稼働中の顧客が5件、約85件の見込みが列をなしており、大半はEV(電気自動車)充電。データセンターの見込みは10メガワットに達する。対象サイトは時間の90%で申込容量いっぱいの電力を引き出し、供給を絞られたのは1%未満だった。PG&Eは規制当局に対し、この試験運用を標準にするよう求めている5。AIブームのなかで「電力のボトルネック」と評されてきたこの電力会社が売っているのは、出力を絞ったメガワットだ。同社はこれを「送電線の代替ではなく、橋渡しだ」と呼ぶ5。
売却7回、購入1回、残るは決算説明会
経営陣はいまも建設を続ける。10月1日には送電線5千マイル(約8千キロメートル)の地中化を掲げた10カ年計画を提出した。期待便益は1170億ドル7。2027年の1株あたり利益ガイダンスは1.78〜1.82ドル3。一方、サンフランシスコの市長と市法務官は、今年40件に上った大規模な計画外停電を受け、州の規制当局に調査を求めている6。
PG&E株(PCG)は10月9日に3.9%高だった8。内部者は過去6カ月で売却7回、購入1回。うちパティ・ポップ最高経営責任者(CEO)による売却は3万1250株、約51万2000ドル相当8。
PG&Eの内部者は6カ月で480万ドルを売却、9万1500ドルを購入
Data
| Value | |
|---|---|
| サントス | $2.85M |
| グリックマン | $0.77M |
| ピーターマン | $0.53M |
| ポップ | $0.51M |
| フゲート | $0.09M |
| クーパー | $0.04M |
| ラーセン(買い) | -$0.09M |
第3四半期決算説明会は、PG&E自身が7月のガイダンスで課した試金石となる。730億ドル計画を新株発行なしで再確認するのか、戦略見直しで計画が変わったと認めるのか4。ポップ氏はすでに自らの構えを示している。「PG&Eは政策枠組みが変わるのを待つことはない」3。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



