ラックスペース、AMD活用のAI転換で財源確保へ人員15%削減――株主提訴が続き、株価は7月比57%安

米連邦裁判所に提起された集団訴訟は、ラックスペースが企業向けAIへの転換でクラウド事業が払う代償を隠していたと主張する。だが人員削減を含む転換の方針は、今や同社自身の開示資料に明記されている。株価は7月8日の終値を57%下回ったままだ。

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Vincent JiangVincent Jiang · 4 min read
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ラックスペース・テクノロジーの最高経営責任者(CEO)、ガジェン・カンディア
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ラックスペース・テクノロジーのガジェン・カンディア最高経営責任者(CEO)。7月の業績見通し引き下げをめぐる株主訴訟が続く中、AI転換の賭けをAMD製ハードウェアに託す

ラックスペース・テクノロジー−11.15% — ラックスペース・テクノロジー, down 11.15 percent today(ナスダック上場、ティッカーRXT)は2026年10月16日、前日比11.3%安の2.83ドルまで下げた。テキサス州サンアントニオに本拠を置くクラウド企業の時価総額は約8億1200万ドルに縮んでいる17。株価は7月8日終値(6.58ドル)から57%下落した水準で、7月8日は、経営陣がAIへの転換で2026年の収益が1億5000万ドル目減りすると提示した前営業日にあたる2。ニューヨークの法律事務所ブロンスタイン・ガーウィッツ&グロスマン(Bronstein, Gewirtz & Grossman)は10月8日の通知と同15日の追加通知で、ラックスペースの投資家に働きかけている34。

55%急騰、人員15%削減、33%急落

一連の流れは一方通行だった。半導体メーカーAMD−6.27% — AMD, down 6.27 percent todayとの5月7日付の基本合意書(MOU)は第1四半期決算と合わせて発表され、株価を1取引日で55%超に押し上げた5。6月16日には正式契約が続いた。ラックスペースのデータセンター向けに、AMD製チップによる計算能力30メガワット分を2026年後半から2028年にかけて段階的に整備する内容だ57。

同日、SEC(米証券取引委員会)への提出書類で「人員再編計画」(workforce realignment plan)が明らかになった。対象は世界の従業員の約15%で、大半には6月10日ごろに通知が済んでいた。一時費用1400万~1900万ドルと引き換えに年換算7500万~8500万ドルのコスト削減効果を確保し、AMDの計算基盤構築に振り向ける56。終値は4.99%高だったが、寄り前の時間外取引でつけた急騰は既にしぼみつつあった7。7月9日、ラックスペースは2026年の収益見通しを1億5000万ドル、調整後EBITDAを2000万ドルそれぞれ引き下げ、株価は33.6%安の4.37ドルまで売られた28。

7月の下方修正はパブリッククラウド1億2500万ドル、プライベートクラウド2500万ドル減

  • 従来見通し(中央値)
  • 改定後見通し(中央値)
$0M$1,000M$2,000M$3,000Mプライベートクラウド$1,025M$1,050M-2.4%パブリッククラウド$1,475M$1,600M-7.8%2026年度合計$2,500M$2,650M-5.7%
Data
従来見通し(中央値)改定後見通し(中央値)Change
プライベートクラウド$1,050M$1,025M-2.4%
パブリッククラウド$1,600M$1,475M-7.8%
2026年度合計$2,650M$2,500M-5.7%
2026年7月9日の更新前後でみたラックスペースの2026年度収益見通し(中央値、単位は100万ドル)。出所:会社のプレスリリース8

訴訟が「隠していた」と訴える内容、提出書類には明記されている

5月7日から7月8日にかけて株を買った投資家は8月8日、ニューヨーク南部連邦地方裁判所に「モーガン・リード対ラックスペース・テクノロジー」(Morgan-Reed v. Rackspace Technology)の集団訴訟を提起した。訴状では、収益性の高いホスティング型インフラ事業であるプライベートクラウドから設備能力と資本を振り向けていた実態を会社が隠していた、と主張。その間、アマゾン−2.33% — アマゾン, down 2.33 percent todayとマイクロソフト−2.35% — マイクロソフト, down 2.35 percent todayのクラウドサービスを再販するパブリッククラウドは、ハイパースケーラー(超大型クラウド事業者)が顧客を直接獲得する中で縮小が進んでいた、としている9。これらはいずれも立証されていない主張で、10月の通知も弁護士事務所による勧誘にすぎず、裁判所の判断ではない。ラックスペースは不正行為を認めていない。

だが、その戦略は今や会社自身の言葉で語られている。最高財務責任者(CFO)のマーク・マリノ(Mark Marino)は8月の決算説明会で、収益の減少は「低マージンのパブリッククラウド収益を時間をかけて手放していくという当社の戦略的意思決定」を反映したものだと説明した1。6月の提出書類にも、削減効果を「パブリッククラウド事業部門から」、AMDとともに進める企業向けAIインフラへ移すと記されている6。AMDとの合意自体も枠組みにすぎない。展開ごとに個別の商業契約を結ぶ必要があり、AMDに特定の案件を認める義務はない5。

年4億5000万ドル、あくまで紙の上

30メガワットについて会社自身が示す目標は、2028年末までにフル展開した場合、AI事業のマージン50%超で年4億5000万~6億ドルの収益を上げることだ。ただし、その数値は「例示的なもの」とラックスペース自身が位置づけている18。2026年末までにほぼ2メガワットという第1弾には、約7500万ドルの設備投資が必要だ。一方で手元現金は1億1100万ドル、2026年第2四半期の営業キャッシュフローはマイナス3200万ドルで、ハードウェア担保の資金調達はなお手配中という1。Stocktwitsの投稿はこの構築計画による収益を「平均で年間3億ドル」と見込み、会社自身の試算を下回るとした6。この出費を支えるはずの収益基盤は、3年間縮小が続いている12。

収益は12四半期で7億3200万→6億7000万ドル

$660M$680M$700M$720M$740M2023年第4四半期2024年第2四半期2024年第4四半期2025年第2四半期2025年第4四半期2026年第2四半期$670.1M
Data
四半期別収益
2023年第3四半期$732.4M
2023年第4四半期$719.7M
2024年第1四半期$690.8M
2024年第2四半期$684.9M
2024年第3四半期$675.8M
2024年第4四半期$685.6M
2025年第1四半期$665.4M
2025年第2四半期$666.3M
2025年第3四半期$671.2M
2025年第4四半期$682.8M
2026年第1四半期$678.1M
2026年第2四半期$670.1M
四半期別収益(単位は100万ドル、2023年第3四半期~2026年第2四半期)。ラックスペースのSEC提出書類による。12

社内では売り、社外では疑念

強気のシナリオにも、擁護できるだけの実質はある。AMDとの合意は調印済みで、7月9日の朝にはパランティア−8.14% — パランティア, down 8.14 percent todayがラックスペースを「優先パートナー」に指名、9月にはエヌビディア−1.59% — エヌビディア, down 1.59 percent todayが同社をクラウドパートナー(Cloud Partner)プログラムに加え、通年の収益見通し24億5000万~25億5000万ドルも8月時点で維持された178。ただ、摩擦の側も同じように記録に残っている。会社関係者は直近の四半期に71万4141株、総額230万ドルを売却した。うち49万8728株は最高経営責任者(CEO)のガジェン・カンディアが9月4日に1株3.21ドルで売った分で、税の源泉徴収分を賄うため事前に定めた計画に基づく10。アナリストのコンセンサスは「売り」(Reduce)、目標株価は4.00ドルで、浮動株の10.8%が空売りされている110。

次の判断材料は11月

岐路を決めるのは第3四半期決算だ。昨年のペースでは11月上旬までに発表されるはずで、2025年の第3四半期決算は11月6日だった11。焦点は3つ。最初の2メガワットが予定どおり進むか、ハードウェア担保の資金調達が完了するか、そしてパブリッククラウドがどれだけ速く縮むか。メガワットが請求書に変わるまでは、この収益は見通しにすぎない。

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Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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