レイセオンのレーダー、カタールとの覚書――初飛行前のシールドAI「X-BAT」、評価額127億ドル
シールドAIの無人戦闘機「X-BAT」のレーダーと電子戦システムは、レイセオンが手がける。同社の自律ソフト「ハイブマインド(Hivemind)」は、独ラインメタルの合弁会社を通じてカタールの無人水上艇に持ち込まれる。2件は48時間以内に相次いだ。ただし評価額127億ドルは、いまだ初飛行を果たさない機体にかかっている。
Vincent Jiang · 2 min read
48時間で2つの署名
シールドAI(Shield AI)$13.77B — シールドAI(Shield AI), private, latest valuation $13.77Bは今週、他社のロゴ集めにいそしんだ。10月27日、NYSE上場のRTX傘下のレイセオン先端技術部門(Advanced Technology)が、同社の垂直離着陸型の自律戦闘機「X-BAT」向けにレーダーと電子戦システムを供給することで合意した1。
その翌日、カタールで開かれた見本市「ミリポル・カタール」で、同社は独ラインメタルとカタールのバルザン・ホールディングスによる合弁会社RBATと、自社の自律ソフト「ハイブマインド」をカタールの無人水上艇(USV)で動かす検討を進める覚書(MOU)を交わした2。2件の契約のいずれもが指す先にあるのがハイブマインドで、F-16戦闘機から低軌道の人工衛星まで、すでに40以上のプラットフォームを操縦してきた2。
「ロゴ」が寄りかかる数字
お墨付きが上乗せされたのは、3月に実施した20億ドルの資金調達でついた評価額127億ドルだ3。この調達は、マッハ・インダストリーズ(Mach Industries)の評価額を37億ドルへと倍増させたのと同じベンチャー投資の波に乗ったものだ。社長兼共同創業者のライアン・ツェン氏は、任務装備をすべて組み込んだX-BATを1機約3000万ドル、F-35のライフサイクル費用の10分の1で、年150機のペースで提供できるとみる。いずれも同社の目標で、受注ではない4。
X-BATをめぐる米海軍の支出確約は計4億ドルに上る。うち1億5000万ドルは、シールドAIが同額を拠出して対応する契約だ5。今日、収益を生んでいるのは、より小型で実戦経験を積んだV-BATである。台湾だけでも、2029年までに280機を受領する予定だ。このうち150機が2027年末までに就役する6。
値札の付かないお墨付き
今回の2件の取引には、いずれも金額が付いていない。レイセオンとの契約条件は非公開で1、カタールの覚書にも金額の記載はない2。だが2つの名前がそろった週になっても、X-BATはその機体を象徴する操縦、垂直離陸をいまだ一度も行っていない。初の実物大試作機は10月末ごろに姿を見せる予定で、飛行試験は2026年後半に米カンザス州で行われる見通しだ75。信じる側は、大手防衛企業の参加を「自分たちの代わりに済ませたデューデリジェンス」と解釈する。疑う側が数えるのは、価格の決まらない契約2件と、飛んだことのない機体1機だ。
シールドAIの127億ドル、首位アンドリルの610億ドルに遠く及ばず
Data
| Value | |
|---|---|
| アンドリル | $61B |
| シールドAI | $12.7B |
| サロニック | $9.25B |
| マッハ・インダストリーズ | $3.7B |
カンザス州の関門
答え合わせは、口約束ではなく日程に入っている。ニュージーランドの極地哨戒用無人機の入札は11月8日に締め切られ、1月下旬に優先交渉権者を選び、2027年5月上旬に調印する。シールドAIはV-BATで応札するかを検討している8。X-BATの初飛行は2025年後半にGE製F110エンジンを選定して以来の目標で9、その手前に積み上がったすべてを値付けし直す関門だ。門が開くまで、動いているのは非公開市場の値付けだけである。
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