電力はオラクルのデータセンターから持ち出せる。180億ドルは持ち出せない
ブルームエナジーのKR・スリダル最高経営責任者(CEO)は、オラクルの「プロジェクト・ジュピター」に向かう燃料電池は「代替可能(fungible)」で、出荷後でも搬送先を変えられると述べた。一方、キャンパスへの180億ドルの融資(銘柄は額面1ドル当たり89~91セント)を担った約20行に、振り替えられるものはない。
Vincent Jiang · 3 min read
トラックは引き返せる
ブルームエナジーのKR・スリダル最高経営責任者(CEO)は10月1日、ブルームバーグテレビでオラクルの不可抗力通知に応答し、プロジェクト・ジュピターへ搬送される予定の燃料電池がニューメキシコ州に縛られるものではないと述べた。1 ブルームの燃料電池は「代替可能」だという。「トラックに積み込んだ後なら、別の場所へ向かわせることができる」からだ。1 同氏は今年と来年の業績見通しを維持すると繰り返し、ブルームが「制約」になることはないと述べた。株価は木曜日、277.58ドルで終え、年初来の上昇幅は181%を超える。一方、オラクルは28.6%下落している。12 会社側の見解はより限定的だ。ブルームは、オラクルが自社の予定工期で2.4ギガワット(240万キロワット)の契約に変わりなくコミットしているとしており、建設や許認可に関する質問には答えなかった。3
カネは動けない
オラクルが9月24日に開発事業者スタック・インフラストラクチャー(STACK Infrastructure)へ送った通知が引くのは、逆向きの線だ。4 賃貸借契約は「ヘル・オア・ハイウォーター(hell-or-high-water)」型だ。解約はできず、電力が届くかどうかにかかわらず、オラクルには賃料の支払い義務がある。不可抗力が発生した場合、満額賃料の支払い開始は最長3年繰り延べられるが、総支払額が目減りしないよう契約期間は自動延長される。5 キャンパスの建設には約20行が計180億ドルを融資した。融資の売買価格は額面1ドル当たり89~91セントで、少なくとも1行の引受幹事が90セントを下回る価格で売却しており、売却価格からは少なくとも18億ドルの評価損が出ているとみられる。56 ブルーオウルのファンドは約30億ドルの出資(エクイティ)を行っており、賃料の支払いが始まるまで年9%相当の収益を得る。5
ブルーオウルの出資1ドルに銀行融資6ドルが載る
Data
| Value | |
|---|---|
| 建設融資(約20行) | $18B |
| ブルーオウルの出資 | $3B |
| 融資の評価損(最低) | $1.8B |
報道発表と食い違う申請書類
オラクルはキャンパスについて「計画どおりのスケジュールを維持している」とし、建設には3,600人を超える作業員が当たっていると説明する。3 だが、発電所自身の許可申請の中身は別のことを示す。4月の申請では建設着手を「許可証の発行後」、完工を2029年11月としており、開業より1年遅い。3 州の最高裁判所は9月17日、許可手続きの停止を解除した。ニューメキシコ州は11月23日までに燃料電池の大気許可の是非を判断する必要があり、パイプラインでのガス供給開始は2027年2月にずれ込んだ。3 申請者のユッカ・グロース・インフラストラクチャー(Yucca Growth Infrastructure)は7月の公聴会で、11月からは毎月3億2,500万ドルの損失が生じると述べた。3
洪水でも筋書きは変わらず
オラクルは、この規模のプロジェクトでは不可抗力通知は珍しくないとし、「それ自体がプロジェクトの遅延を立証するものではない」と主張する。3 そこへ水が来た。今週、洪水がキャンパスに達した。オラクルとスタック・インフラストラクチャーはパートナー企業や保険会社と協力して対応し、重要インフラに被害はなく、工期も維持されると発表した。7
決着は11月23日
大気許可が認められれば、180億ドルの融資は額面(パー)へ戻る道が開ける。拒否されればトラックは引き返し、銀行の手には賃料収入が始まっていないキャンパスが残る。市場がこの賭けの織り込みを始めたのは、オラクルが9月29日に契約を再確認したあとだ。RBCはブルームエナジーの目標株価を335ドルに据え置き、ジェフリーズは264ドルへ引き上げた。8 燃料電池には車輪がある。債務にはない。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.


