ウーバー、利益を築いた運賃53%上昇 AIエージェントが奪い返すか

コロンビア大学ビジネススクールのレン・シャーマン氏が米6都市のウーバー乗車3万7500件を分析した。2023年1~3月期以降、待ち時間は19%延び、1マイル当たり運賃は53%上昇。ウーバーは数字に異議を唱えるが、その数字に正面から答えようとはしない。真偽を確かめるAI買い物エージェントが登場しつつある。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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イベント「GO Get Zero 2024」のステージで講演するウーバーのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)
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ウーバーのダラ・コスロシャヒCEO。同社はコロンビア大の運賃調査について「多くの不正確な点に依拠している」としつつ、主要数値への具体的な回答は避けた。

ウーバーの株主が警戒すべき数字は、待ち時間ではない。53%だ。コロンビア大学ビジネススクールでエグゼクティブ・イン・レジデンスを務めるレン・シャーマン氏が米6都市で運転手が完了させた乗車3万7500件を分析したところ、ウーバーが請求する1マイル当たりの平均運賃は2023年1~3月期から2026年1~3月期にかけて53%上昇し、マッチングから車両到着までの時間も19%延びていた1。シャーマン氏はビジネスインサイダーに対し、「もっと少ないサービスに、もっと高い金を払わせている。サービスの質を落としながらだ」と語った1。

待ち時間は6都市のうち5都市で延びた。シャーマン氏自身、この数値は過小評価だとみる。マッチング前にウーバーが乗車を運転手に次々と提示する時間が、運転手側のデータには反映されていないためだ1。19%と53%という数字を報じた媒体はビジネスインサイダーだけで、独立した監査はどちらの数字にも行われていない。

差額こそが利益のエンジン

その差額がもたらしたものを、SEC提出書類が示している。連結営業利益は2023年7~9月期の3億9400万ドルから2026年4~6月期には18億9000万ドルへと、ほぼ5倍に膨らんだ2。その基盤となるプラットフォームは月間アクティブ利用者2億800万人を抱え、年換算のグロスブッキングス(総取引額)は2230億ドルに達する5。

ウーバーの四半期営業利益、2023年7~9月期から2026年4~6月期でほぼ5倍

$0B$0.5B$1B$1.5B$2B23年10~12月期24年4~6月期24年10~12月期25年4~6月期25年10~12月期26年4~6月期シャーマン氏はこの急増を、異議が唱えられている自身の53%という数字と結びつけている
Data
営業利益
23年7~9月期$0.39B
23年10~12月期$0.65B
24年1~3月期$0.17B
24年4~6月期$0.8B
24年7~9月期$1.06B
24年10~12月期$0.77B
25年1~3月期$1.23B
25年4~6月期$1.45B
25年7~9月期$1.11B
25年10~12月期$1.77B
26年1~3月期$1.92B
26年4~6月期$1.89B
四半期別の連結営業利益(GAAP、単位10億ドル)。出典:Sharadarの四半期ファンダメンタルズ(ウーバーのSEC提出書類に基づく、2026年10月3日取得)2

シャーマン氏が3人のドライバーの記録9年分を基にまとめた6月の調査によると、運賃に占めるウーバーの取り分は一部の都市で50%を超える。10年前は15~20%だった。2022年に事前提示運賃(アップフロントプライシング)が導入されて以降、乗客が支払う運賃とドライバーの報酬ははさみ違いに広がっていった3。「これが今もウーバーの利益のエンジンだ」と同氏は話す3。また、プリンストン大学の労働アルゴリズム観測所(Workers Algorithm Observatory)が米消費者誌コンシューマー・リポーツ向けにオレゴン州を対象に行った分析では、中抜き率(テイクレート)はウーバーが44%、リフトが52%と算出された4。

ウーバーの回答は別の数字、検証ではない

ウーバーの広報担当者は、この分析について「多数の不正確な点に依拠しており、当社はすでに公に反論している」と述べた上で、2つの主要数値のいずれについても説明を拒んだ1。同社が1月に公開したブログ記事は、2025年7~9月期の平均中抜き率を運賃の21%と示し、値上げして取り分を広げることが収益性の源だという見方を「誤り」と退けた3。21%と50%。この2つの数字のあいだに、利ざやをめぐる疑問のすべてが横たわる。

ウーバーの主張は21%、外部調査は44%以上

  • Estimate
0%20%40%60%ウーバーの主張(25年7~9月期)21%コンシューマー・リポーツ:ウーバー(オレゴン州)44%シャーマン氏:一部都市50%コンシューマー・リポーツ:リフト(オレゴン州)52%10年前の中抜き率15~20%の上端
Data
Value
ウーバーの主張(25年7~9月期)21%
コンシューマー・リポーツ:ウーバー(オレゴン州)44%
シャーマン氏:一部都市 (estimate)50%
コンシューマー・リポーツ:リフト(オレゴン州)52%
運賃に占めるウーバーの取り分(%)。会社側の主張(1月のブログ記事、ビジネスインサイダーが引用)と、シャーマン氏の6月調査、労働アルゴリズム観測所によるコンシューマー・リポーツ向け分析の測定値。シャーマン氏の数字は下限であり、同氏は一部都市で取り分が50%を超えるとみる。出典:ビジネスインサイダー(Yahoo Finance経由)、ファストカンパニー3,4

乗車データの出所は、ドライバー向けアプリ「GigU」だ。同アプリは1日1500万件超の配車オファーを解析し、ドライバーが受諾する前に1マイルあたりの報酬を表示する61。乗客も自分たちなりに同じ計算をしている。ハッカーニュースのある投稿者は、ここ数年、60ドルを下回る空港行きの乗車は一度もないと報告した7。

シャーマン氏が測った差を埋めるAI買い物エージェント

シャーマン氏が名指しする脅威は、規制当局ではない。AIエージェントだ。数秒でウーバーをリフトや地場の競合と比べるAI買い物エージェントが、高い中抜き率の土台である価格の不透明さを侵食していく1。評判の低下はすでに始まっている。米ニュースメディアAxiosと調査会社ハリス・ポールが毎年まとめる企業評判ランキング「ハリス・ポール100」で、ウーバーは今年72位と、2025年の58位から順位を下げた1。「The Inference」はアプリストアの手数料や決済をめぐる同じ圧力を9月30日に追った。配車サービスがその次に来るのは、ずっと見えていた。

ウーバーの「21%」が正しい数字なら、値上げは効率化の表れであり、おそらく長続きする。逆にシャーマン氏の「50%」が正しければ、エージェントの比較は一つ残らず裁定取引の切符だ。見極めの手がかりは2つある。ウーバーが次に出す価格関連の説明と、エージェント経由の配車予約に関する初の厳密な件数集計である。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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