国巨は売上高過去最高、村田は受注56%増 それでも両株は高値から4割安

国巨は7カ月連続で月次売上高の過去最高を更新し、村田製作所の受注は56%増えた。それでも両社の株価は高値から約4割安の水準だ。同じ品不足を巡り、投資家は二つに割れて正反対の値付けをしている。判定が下されるのは10月29日の国巨の決算と、30日の村田の決算だ。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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緑色のプリント基板にはんだ付けされた積層セラミックコンデンサーの接写
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AIサーバーの品不足の中心にある部品、積層セラミックコンデンサー。村田製作所はこの分野の世界最大手だ。

矛盾:記録は更新、株価は低迷

台湾の受動部品メーカー、国巨+0.16% — 国巨, up 0.16 percent todayは10月8日、7~9月期の売上高が前年同期比49.7%増の495億台湾ドルと過去最高となったと発表した。9月の単月売上高は171億台湾ドル(同46.1%増)と、7カ月連続で過去最高を更新した1。世界最大の積層セラミックコンデンサー(MLCC)メーカー、村田製作所は4~6月期の受注額が6,738億6,900万円(前年同期比56.3%増)に達し、受注残も3月末時点から38.5%増えた3。

緑色のプリント基板にはんだ付けされた積層セラミックコンデンサーの接写
AIサーバーの品不足の中心にある部品、積層セラミックコンデンサー。村田製作所はこの分野の世界最大手だ。 · Phiarc, CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons

株式投資家は高いカネを払っていない。国巨の直近の株価は636台湾ドルで、過去52週高値の1,220台湾ドルを47.87%下回る。村田も10月9日の終値は7,970円と、高値の1万2,895円を約38%下回った123。

両株とも過去52週高値を約4割下回る

  • 直近終値
  • 過去52週高値
05,00010,00015,000国巨(台湾ドル)村田製作所(円)12,895
Data
直近終値過去52週高値
国巨(台湾ドル)6361,220
村田製作所(円)7,97012,895
現地通貨建てで見た直近終値と過去52週高値(2026年10月9日時点)。出所:本文で引用したAD HOC NEWSの報道1,2,3

証拠:現場の品薄は本物

AIサーバー1台にはこのコンデンサーが1万5000~2万5000個搭載され、市場は二極化している6。中国・深圳の電子部品街、華強北ではAIサーバー向け部品の価格が前年の最大5倍に達しており、中国国営放送は6月に急騰が始まって以来、人気品番の中に元の価格の10倍になっているものがあると報じた7。

内部の積層構造が見える積層セラミックコンデンサーの断面
MLCCの断面。セラミック層と電極層を数百枚重ね、長さ数ミリメートルのチップに収めている。 · TubeTimeUS, CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons

村田製作所とAIサーバー市場を二分するサムスン電機は8月1日、MLCC全品目の価格を30%引き上げた。さらに2027年12月までAIサーバー向けコンデンサーを供給する1兆700億ウォン(約7億8100万ドル)という過去最大の長期契約を締結した。同契約は5月以降にまとめた計2兆2500億ウォンの長期契約の一部となる68。

こうした駆け込みの背景には、村田製作所の生産能力をめぐる数字がある。4月に承認した追加の設備投資800億円でも、生産量は10~15%しか増えない。そこで同社は9シリーズにわたる品番を廃止してAI向け部品用の生産ラインを空け、10月8日にはベトナムの新生産棟を完成させ、9月30日には世界最小の3端子コンデンサーを量産化した456。

村田の4~6月期、受注と利益は売上高のほぼ3倍の伸び

0%20%40%60%売上高20.7%受注額56.3%営業利益59.8%
Data
Value
売上高20.7%
受注額56.3%
営業利益59.8%
2026年4~6月期(2027年3月期第1四半期)の前年比。数値は本文で引用した報道による。3,6

反論:メーカー自身が自社の受注を「過熱気味」とみる

中島規巨社長は7月31日の決算説明会で、受注は「やや過熱気味だ」と述べ、既存製品の値上げはしない考えを示した。通期の業績見通しも、価格が下がる前提のままだ6。華強北の民生品向けスポット価格はすでにピークから3分の2下落しており、ある流通業者はこの調整を「下流需要に押し上げられたものではなく、むしろ投機的な動き」と評する7。

傷となっているのは2018年だ。村田製作所は18年ぶりとなる値上げで過去最高の年を迎えたが、その後は受注額が2四半期連続で減少し、19年は落ち込んだ6。今の株価が最悪シナリオを織り込んでいるとは言い難い。実績PERは村田製作所が54.8倍、国巨が42.8倍で、日本の電子部品メーカー、TDKの26.5倍に比べて高い。村田製作所自身も9月に161億円の自社株を買い戻し、1500億円の取得枠に対してこれまでに計761億円を買い入れている23。

ひっ迫には高い値段が付く:村田製作所と国巨はTDKを大きく上回る

0x20x40x60x村田製作所54.8x国巨42.8xTDK26.5x
Data
Value
村田製作所54.8x
国巨42.8x
TDK26.5x
実績PER(2026年10月、報道ベースの数値)。出所:本文で引用したAD HOC NEWSの報道2,3

焦点:割安な入り口か、すでに適正な水準か

国巨は10月29日、村田製作所は10月30日に決算を発表する13。注目は、みずから「過熱気味」と評した受注が7~9月期にどう出るかと、通期見通しが価格下落の前提を維持するかどうかだ。

契約価格がスポット価格に追随するなら、受注額56%増に、高値から約38%下の水準で自社株を買い戻している事実が加わり、このひっ迫につながる最も割安な上場銘柄となる。急騰がグレーマーケットの投機に過ぎなければ、実績PER54.8倍と42.8倍はすでに十二分に織り込み済みだ。

村田製作所の定価は変わらないまま、華強北の店頭ではその5~10倍の値段が付いている。10月30日にまた過去最高の受注額が出れば、ひっ迫が契約価格に波及しつつあるということだ。逆に減れば、高い金を払う買い手は転売業者しかいなかったということになる。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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