米アリゾナのAI電力ブーム、焦点は稼働63年の石炭火力と料金審査へ

アリゾナ州のデータセンター主導の需要倍増が収益として複利的に膨らむとの期待を織り込み、ピナクル・ウェスト・キャピタルはデューク・エナジー比のプレミアムで取引されている。その需要が収益に結実するのか、家計の電気料金に行き着くのか。判断は今、石炭火力発電所の存続と料金審査を両に懸けた州の規制委員会の手にある。

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Richard TangRichard Tang · 3 min read
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1972年5月の夕暮れ、空を背景に煙突や建屋がシルエットとして浮かぶフォー・コーナーズ石炭火力発電所
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1972年5月、ニューメキシコ州シップロック近郊のフォー・コーナーズ石炭火力発電所。初期ユニットの稼働から9年後の撮影。石炭を供給する鉱山との合意により、アリゾナ・パブリック・サービス(APS)最後の石炭火力が2038年まで運転を続ける可能性がある。

アリゾナ州のAIインフラ整備は、エンジニアリングの段階を終え、会計の段階に入った。州最大の電力会社、アリゾナ・パブリック・サービス(APS)は今月、投資家に伝えた。現在では2030年までの電力販売が年5~7%伸びる見通しで、従来の4~6%から引き上げた1。2025~28年の設備投資計画は約108億ドルに膨らむ1。その最初の物理的な帰結が、稼働から63年を数える石炭火力発電所だ12。巨額の投資が複利のように収益を積み上げるかどうかは、今やデータセンターではなく、アリゾナ州企業委員会(Arizona Corporation Commission)が握っている。

倍増は予測ではなく帳簿済み

需要の正体は計算能力だ。アリゾナ州で買い手となるのは、データセンターと、その周囲に集積する半導体工場である。こうした超高負荷率顧客への販売は、今年に入って13.6%増えた1。APSはポッドキャスト「Nameplate」の中で、その規模を一言で表した。「9ギガワットに届くまでに140年かかった。これを今後10~15年で倍にする」3。契約済みの需要増の背後には、署名には至っていないものの、供給に備える必要があるとAPSが挙げる需要キューが控える。中身は、同社が1世紀かけて築いた電力網全体を上回る規模の新規需要だ1。

APS、現在の電力網の2倍超の未契約需要に備える必要

0 GW5 GW10 GW15 GW20 GW2025年のピーク需要8.6 GW契約済み成長4.5 GW未契約キュー20 GW未契約だが、APSは供給できるよう備える必要があるとしている
Data
Value
2025年のピーク需要8.6 GW
契約済み成長4.5 GW
未契約キュー20 GW
APSの2026年10月の投資家向け説明資料に基づく定格出力ベースの数値(ギガワット単位、Industrial Info Resourcesの報道による)。契約済み成長は下限値で、達成年度は示されていない。キューはAPSが未契約としている需要。1

最初の一手は石炭火力の運転継続

電源は送電網に先立つ。フォー・コーナーズ石炭火力発電所はAPSにとって最後の石炭火力で、現行の資源計画では2031年に離脱する予定だった2。ところが、同発電所に石炭を供給する鉱山を運営するNavajo Transitional Energy Companyとの9月に締結した非公開の合意により、運転は2038年まで続く可能性が出てきた2。APSは運転延長が顧客のコストを下げると説明する2。鉱山と発電所は、ナバホ・ネーションの一般会計の約35%も賄っている4。発電所の行方を決める改訂版の資源計画は、今月、アリゾナ州企業委員会に提出される2。

1972年6月、冷却池の向こうに望むフォー・コーナーズ石炭火力発電所。複数の煙突から煙が立ち上る
1972年6月、APSが増設を準備していた当時のフォー・コーナーズ石炭火力発電所と冷却池。鉱山と発電所はナバホ・ネーションの一般会計の約35%を賄っており、存続の是非が争われる一因になっている。 · Lyntha Scott Eiler, U.S. National Archives and Records Administration

争点は成長コストを誰が負担するか

料金は発電所の上に載る。APSは「成長が成長のコストを負担する」仕組みとして、「大口需要家への発電コストの直接賦課」を提案している1。この原則をめぐっては、公の場で反論が出ている。消費者擁護団体は、2023~25年に家庭と小規模事業者がデータセンターの成長のために5億8700万ドルを負担したと主張。この分析についてAPSは「誤解を招く」としている。一方、係争中の料金審査では、APSは大口需要家の料金を45%引き上げるよう求めている5。家庭用顧客には11月分の請求書で14ドルが割り引かれ6、同じ11月には委員2人の議席をめぐる選挙も行われる5。

プレミアムの行方は委員会次第

APSの親会社ピナクル・ウェスト・キャピタル+1.81% — ピナクル・ウェスト・キャピタル, up 1.81 percent todayは株価収益率(PER)19.85倍で取引されており、デューク・エナジー+2.08% — デューク・エナジー, up 2.08 percent todayの18.24倍に対してプレミアムがついた水準だ7。このプレミアムが買っているのは、需要の倍増である。そのカネを誰が負担するのかは、まだ誰も決めていない。需要は観測できる。だが価格は、委員会が料金審査と資源計画を決めるまでは、あくまで予測にすぎない。成長が成長のコストを自ら負担する――それが正しい設計であり、建設を続けるための最速の道でもある。日程が見える節目は2つ。今月提出の資源計画と、11月3日の寄り前に発表される第3四半期決算だ7。

倍増は計上済み。請求書はまだ交渉中だ。

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AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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