HBMがDRAMウエハーの3割を占有、ビットは13%――従来型DRAMにしわ寄せ
高帯域幅メモリー(HBM)は2027年、DRAM業界のウエハーの約3割を占める一方、ビット供給量は約13%にとどまる。シェアが10ポイント動けば、従来型メモリーの生産はその2~3倍のペースで押し出される。請求書を払うのはPCとスマートフォンの買い手だ。サムスン電子はHBM4の首位を巡りSKハイニックスと競う。
Richard Tang · 3 min read
サムスン電子の生産部門トップが今週、AI向けメモリーの供給ひっ迫を具体的な数字で示した。HBMは来年、DRAM業界のウエハー生産能力の約3割を消費する。現在は約2割だ。サムスン自社のHBMラインも、ウエハー投入量を月産約18万枚から25万枚へと約4割増やす 13。通信社の報道は見出しの数字で終わった。だが、その下にある計算こそが、メモリーチップを1個でも搭載した製品すべての価格を動かす。
本当の転換率は見出しの3倍
HBMは、従来型DRAMを割高にしただけのものではない。ダイを縦に積み、アクセラレーターの脇に実装する構造で、HBMのダイ1個は同じ容量のDDR5の約3倍のウエハー面積を占める 1。マイクロンのマーク・マーフィー最高財務責任者(CFO)も同じ交換比率を語っている。HBM3世代では約3対1で、積層の世代が新しくなるごとに広がるという 2。トレンドフォース自身の推計も、この格差を具体的に示す。HBMは来年、DRAMウエハーの30%を取り込みながら、ビットは13%しか生まない 4。つまり、ウエハーシェアが10ポイント動くだけで、従来型DRAMの生産はその2~3倍のペースで押し出される。奪われるウエハーはそれまで3倍のビットを生産していたからだ 1。この「押し出し」こそ、トレンドフォースが2027年のHBM平均価格が前年比121%上昇するとの見通しを示した理由であり、サーバー向けDDR5やPC・モバイル向けDRAMの高値が続く理由でもある 14。サムスン自身も、両者が同じウエハーを取り合っていると説明する 3。
HBM、ウエハーの30%を占めビットは13%
- Estimate
Data
| Value | |
|---|---|
| 2026年 HBMのウエハーシェア | 20% |
| 2027年 HBMのウエハーシェア (estimate) | 30% |
| 2027年 HBMのビットシェア (estimate) | 13% |
誰のカネが動くのか
普通のメモリーの買い手は、望むと望まないとにかかわらず、AIの設備投資を資金的に支えている。AIサーバーはHBMだけでなく、CPUの脇に搭載する大容量DDR5も併せて消費するからだ。しわ寄せを受けるのがPC・スマートフォン向けDRAMである4。このトレードオフが一社に集中しているのがサムスン電子だ。同社は世界DRAM市場の約40%を握り4、来年にはHBM出荷量に占めるHBM4ファミリーの比率が約40%から80%へと高まる見通しだ1。同社が追うのはSKハイニックスである。2026年第1四半期から第2四半期にかけて、SKハイニックスのHBM売上高シェアは58%から50%に低下し、サムスン電子は21%から33%に伸ばした4。UBSは2027年、サムスン電子が41%対39%でHBMのビット(供給量)シェア首位に立つと予測する4。
サムスン電子、SKハイニックスとのHBM売上高シェア差を1四半期で37ポイントから17ポイントに縮める
- SKハイニックス
- サムスン電子
Data
| SKハイニックス | サムスン電子 | |
|---|---|---|
| 2026年第1四半期 | 58% | 21% |
| 2026年第2四半期 | 50% | 33% |
より希少になるのは従来型DRAM
この日の米国株引け後には、マイクロンが会計年度第4四半期の決算を発表する。焦点はこの非対称性にある。筆者が2を読む限り、価格下限を付けた5年契約はマイクロンの売上高の約40%をカバーする。ただし対象製品は示されておらず、締め出される従来型DRAMの数量が同じ保護を受けられるとは限らない。サムスン電子の言う通り生産能力の転換が進むなら、供給が引き締まり値上げのテコが効くのは従来型DRAMの側であり、HBMの増産はそこへ至るために払う対価だ。サムスン電子自身が示したウエハー数3は、転換がすでに始まっていることを裏付ける。一方、サムスンのシェア目標が求めるペースでHBM4の歩留まりが持ちこたえられるか——この結び目は今も試され続けている。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



