PPL、計画が進むデータセンター需要31.8ギガワット 送電料金の決着待つ 11月6日に年次事業計画
PPLエレクトリック・ユーティリティーズは、マウントカーメル近郊のデータセンター向けに16マイル(約26キロメートル)の送電線を提案し、アレンウッドのルートも決めた。一方、シャピロ知事のペンシルベニア州公益事業委員会(PUC)への申立てが切り込むのは、まさにこの2案件が位置する送電網の層だ。11月6日の年次事業計画の更新は増強規模をめぐる初の確かな数字であり、どの電力同業他社に対してもつPPL株のプレミアムは、それによって初めて正当化されなければならない。
Richard Tang · 4 min read
ペンシルベニア州のデータセンター向け送電プロジェクト2件が今週動いた。いずれも突きつける問いは同じだ。送電線の費用を誰が払うのか。10月23日、PPLエレクトリック・ユーティリティーズ−0.96% — PPLエレクトリック・ユーティリティーズ, down 0.96 percent todayは、名称を公表していないデータセンター顧客への給電に向け、マウントカーメル近郊で16マイル(約26キロメートル)の新高圧送電線と変電所を提案した。あわせて、開発業者のPNKグループがアレンウッドに建設を計画するキャンパス向けの別線について、優先ルートとなる6.8マイル(約11キロメートル)の経路を公表した 12。
この送電網増強の価値をめぐる判定が下るのは11月6日だ。PPLは第3四半期決算に合わせて年次事業計画の更新を発表する。増強の規模を占う初の予定された機会となる 3。
「顧客負担」の約束、空洞はちょうど2案件が位置する層
PPLの答えは料金制度だ。同社が「ペンシルベニア州で唯一PUCの認可を受けた大口需要家向け料金」と呼ぶ料金区分「LP-6」は、対象となるデータセンター顧客に、専用設備の費用負担、財務保証の供託、最低使用量の確約、退出時の保護条項の受け入れを求め、他の顧客に請求を押しつけない仕組みだ 4。ただし、LP-6がカバーするのは配電レベルの設備にとどまる 4。その上の層にあたる送電網の増強は、PUCでなお審理が続く提案中の「消費者保護送電加算制度(Consumer Protection Transmission Rider)」でしか手当てされていない 4。
新2案件は、まさにカバーされない層に
審理中のこの空白こそ、新しい送電線が位置する場所だ。マウントカーメルの案件である「ナタリー送電計画(Natalie Transmission Project)」は、500キロボルト送電線が約10マイル(約16キロメートル)、230キロボルト送電線が6マイル(約10キロメートル)、さらに新変電所を含み、すべてが送電規模の設備だ 1。アレンウッドでは、想定どおりの仕組みが今のところ機能している。PPLの地域担当ディレクター、ジョナ・ハウ(Jonah Howe)氏は、開発業者が拘束力のある大電圧料金契約に基づき費用を負担していると説明し、「顧客がプロジェクトの費用を払っている」と述べた 2。これが今後のすべての案件で成り立つかを決めるのが、まさに同加算制度とPUCの審理だ。
需要は本物、株価には織り込み済み
この送電線の背景にある需要の規模は、絵空事ではない。州PUCの電力見通し(Electric Power Outlook)は、州内で最も伸びが速いPPLの供給区域の産業用電力需要が2030年までに年平均約51%増えると予測しており、そのほぼすべてがデータセンターによるものだ 8。PPLの最高経営責任者(CEO)は、データセンター需要のパイプラインについて、計画策定段階が31.8ギガワット、署名済み契約が11ギガワット超、建設中が6.5ギガワット超に上ると報告した 8。
31.8ギガワットのパイプライン、着工に向けて大きく絞り込まれる
Data
| Value | |
|---|---|
| 計画策定段階 | 31.8 GW |
| 契約締結済み | 11+ |
| 建設中 | 6.5+ |
だからこそ、HSBCは10月22日、データセンターの成長を材料にPPL株のカバレッジを「買い」で開始した 567。同日のバンク・オブ・アメリカ−0.88% — バンク・オブ・アメリカ, down 0.88 percent todayは、コスト増を理由に目標株価を37ドルに切り下げた。バークレイズ−1.45% — バークレイズ, down 1.45 percent todayは10月12日に目標株価を41ドルから38ドルへ下げたうえで、「オーバーウェイト」評価は維持している。需要派とコスト派が争っているのは、同じ資産だ 567。
PPL株、電力同業他社に比べ明確なプレミアム
Data
| 株価収益率(PER) | |
|---|---|
| PPL | 27.44 |
| AEP | 22.05 |
| デューク・エナジー | 18.21 |
提示中の目標株価はすべて、34.65ドルの株価を上回る
Data
| 目標株価(ドル) | |
|---|---|
| 株価(10月20日) | 34.65 |
| バンク・オブ・アメラ…目標 | 37 |
| バークレイズ目標 | 38 |
| アナリスト平均 | 40 |
反対は2つの戦線で組織されている
ジョシュ・シャピロ知事は10月16日、データセンターのコストを他の需要家の電気料金に上乗せさせないよう求め、PUCの大口需要家をめぐる審理への参加を申し立てた。これに対し、PPLは自社の枠組みがすでにそれを実現していると応じた4。地元のマウントカーメル・タウンシップでは、監督委員らが水曜日の午後2時にメールでナタリー送電計画の詳細を受け取り、同日夜に3対0で反対を議決した。建設費とその後の運用コストが「新規需要家と他の電力需要家の間でどのように分担されるのか」の開示を求めている1。PPLはPUCの認可を条件に、2028年春の着工と2031年初めまでの完成を見込む1。
一方、アレンウッドではユニオン郡が、郡の承認を得る前の変電所工事をめぐりPNKグループに中止命令を出した。グレッグ・タウンシップの土地利用(ゾーニング)をめぐる採決は10月27日に予定されている9。送電線自体は2027年後半から2029年末にかけて建設する計画だ2。
11月6日の焦点
事業計画で見るべき読みどころは3つある。第一に、ナタリー送電計画やアレンウッドのような送電整備に充てる設備投資の額だ。この額が、データセンター需要によって収益基盤がどれだけ上積みされるかを決める3。
PPLの設備投資、データセンター整備の本格化で毎年規模を拡大
Data
| 設備投資 | |
|---|---|
| 23年7~9月期 | $0.26B |
| 23年10~12月期 | $1.73B |
| 24年1~3月期 | $0.23B |
| 24年4~6月期 | $0.29B |
| 24年7~9月期 | $0.31B |
| 24年10~12月期 | $1.98B |
| 25年1~3月期 | $0.79B |
| 25年4~6月期 | $0.93B |
| 25年7~9月期 | $0.39B |
| 25年10~12月期 | $2.94B |
| 26年1~3月期 | $1.06B |
| 26年4~6月期 | $1.28B |
第二に、その設備投資のうち、LP-6に基づく確約と審議中の同加算制度で保護されているとPPLが示す金額だ。確約した需要家に請求される成長か、一般のレートベース(料金基盤)に吸収される成長かの分かれ目になる4。第三に、知事が当事者に加わった今、同加算制度の審理とPUC手続きの行方だ34。
確約がプレミアムを守り、裏付けなき設備投資は37ドル陣営を強める
事業計画が大型の送電設備投資を確かな顧客の確約と組み合わせて示せば、デューク・エナジー−0.12% — デューク・エナジー, down 0.12 percent todayやAEP−0.87% — AEP, down 0.87 percent todayに対するプレミアムは保たれる。裏付けを欠いたまま設備投資だけが積み上がれば、主導権は37ドル陣営に移る。PPLが次に打つべき最善手は、同加算制度の保護を、知事側の主張が成立しなくなるほど完全なものにすることだ。この溝を埋めた電力会社だけが、規制当局が認める価格でデータセンター事業を握り続けられる。
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