サム・コバックス氏がエヌビディアを211ドルで空売り 市場全体の転換線は「週足終値200ドル割れ」
投資レター「バビロン・バーンズ」を書くサム・コバックス氏は金曜日の引け際、エヌビディア株を約211ドルで空売りした。AIトレードを支える最後のリーダー銘柄が次に下落するとの賭けだ。転換の線とみるのは週足終値の200ドル割れで、今週はアルファベット、マイクロソフト、アマゾンが決算に臨む。
Richard Tang · 3 min read
投資レター「バビロン・バーンズ」の著者、サム・コバックス氏は10月23日の金曜日、引けの数分前にエヌビディア−0.54% — エヌビディア, down 0.54 percent today株を約211ドルで空売りした。ただ、この売り自体を主題にしているのはエヌビディアではない。1 その実体は、AIトレードを支える最後のリーダー銘柄が次に下落し、彼らが支えてきた指数も道連れになるとの賭けだ。
売りの引き金は直前に引かれたばかりだった。週足終値が212ドルを下回り、戻りの勢いが次第に弱る「上昇ウェッジ」が、さらに長期のウェッジの内部で崩れた。1 氏は1週間以内に205ドルか204ドルへの下落を見込む。肝心の線は週足終値の200ドル割れで、これが出れば長期ウェッジの外側にエヌビディアが出る初めての水準となる。1 空売りの規模は小さく、本人の言葉では「確信度はきわめて低い」売りで、「うまくいかない可能性も十分ある」。1
先に崩れたのはAI設備投資関連、リーダー銘柄は踏みとどまる
氏の根拠は個別の見通しではなく、一連の展開そのものだ。しかも、こうした転換を一度だけ言い当てた実績がある。ChatGPTが世に出た後、ブロードコム−0.45% — ブロードコム, down 0.45 percent today株は氏のポートフォリオで9倍に上昇し、最後の持ち分は350ドル近くで売り払った。1 マイクロン・テクノロジー+2.35% — マイクロン・テクノロジー, up 2.35 percent today、AMD+1.59% — AMD, up 1.59 percent today、シスコ・システムズ+1.63% — シスコ・システムズ, up 1.63 percent today、インテル+1.13% — インテル, up 1.13 percent todayも高値から大きく下離れた水準にあり、氏の計算ではラムリサーチ−0.28% — ラムリサーチ, down 0.28 percent todayとアプライド・マテリアルズ+0.32% — アプライド・マテリアルズ, up 0.32 percent todayは約半値に沈んだ。1
今月の値動きもこれを裏付ける。10月の半導体株は15%超下落した。4 エヌビディア、アマゾン−0.72% — アマゾン, down 0.72 percent today、アップル−0.24% — アップル, down 0.24 percent today、マイクロソフト+0.64% — マイクロソフト, up 0.64 percent todayは、本人の言葉では「これといった動きをしてこなかった」。だからこそ、いま指数を支えているのはこの4銘柄だ。マイクロソフト、アルファベット−0.98% — アルファベット, down 0.98 percent today、アマゾンの3社だけでS&P500種の約15%を占める。1 5
AIインフラ整備関連銘柄、すでに高値から大きく下落
- ピーク
- 10月23日終値
Data
| ピーク | 10月23日終値 | Change | |
|---|---|---|---|
| マイクロン・テクノロジー | $1,255 | $877 | -30.1% |
| ブロードコム | $495 | $320 | -35.4% |
| AMD | $658 | $516 | -21.6% |
| インテル | $142 | $86 | -39.4% |
| シスコ・システムズ | $130 | $106 | -18.5% |
氏の計算では、2022年10月の安値以降に時価総額上位7銘柄が積み増した時価総額は、指数の残り493銘柄の合計にほぼ匹敵する。1 リーダー銘柄がそのまま指数である以上、リーダーのチャートは市場のチャートでもある。氏がエンヴィディアを「市場で最も重要なチャート」と呼ぶのはこのためだ。1
設備投資ガイダンスが試すのは持論であって、トレンドラインではない
先週、リーダー銘柄の転落要因を自ら示したのがメタ−1.36% — メタ, down 1.36 percent todayだ。上場以来初めてフリーキャッシュフローがマイナスに転じ、債務の保証コストも過去最高となった。4 前四半期には、支出見通しの引き上げを発表したアルファベットの株価が急落していた。今週に向けて恐れられているのは、リーダー3社が設備投資を最大1000億ドル引き上げることだ——エバーコア−1.37% — エバーコア, down 1.37 percent todayのアナリスト、マーク・マハニー氏の推計による。4 3
コバックス氏の主張は、AIへの設備投資が今後2~3年、市場の想定を下回って推移するというものだ。ウェッジというチャートの型では決着できないのが、まさにこの結び付きである。1 実業側のシグナルもそれを裏付ける。GEアエロスペース−2.59% — GEアエロスペース, down 2.59 percent todayは決算とガイダンスで市場予想を上回ったのに、株価はそれでも下落した。1
背景となる環境も市場を締め付けていく。ブレント原油は23日、1バレル=117ドル前後で引けた。4月以来の高値だ。米連邦準備理事会(FRB)は水曜日の会合で政策金利を据え置くとの見方が大勢だが、エネルギーインフレを反映して12月の利上げはすでに織り込まれている。1 6 4 マイクロソフトとアルファベットは28日(水)、アマゾンは木曜日に決算を発表する。アマゾンの決算には、当メディアがアマゾンの「トレイニウム」、推論だけでなくAIモデルの学習も可能にで詳述した、独自チップによるエンヴィディアへの挑戦も含まれる。5
エンヴィディアが200ドルを割れば、誰のカネが動くか
週足終値の200ドル割れが実現すれば、氏にとっては市場全体が来年1~3月期の末までに下落に転じるかどうかを占う一線となる。1 ただしこの飛躍はあくまで予想であり、本人も確信度の低さを正直に織り込んでいる。誰がカネを払うことになるかはより明白だ。リーダー銘柄の後発の買い手と、インデックスの保有者である。パッシブ運用の口座が資産の過半を握るいま、投資されたカネの大半がここに当たる、というのが氏の読みだ。1 一方、恩恵を受けるのは空売り筋と、氏のポートフォリオで最大の賭けであるエネルギー関連株の買い持ちだ。1
インベスターズ・ビジネス・デイリーの集計では、多くの非AI株が買いシグナルを点灯している一方、S&P500種とナスダック総合指数は重要な節目を下回ったままだ。下落している側に市場の重みが傾いた構図である。2
今週注目すべき点ははっきりしている。エンヴィディアの週足終値が200ドルを守れるかどうかと、アルファベット、マイクロソフト、アマゾンが示す設備投資ガイダンスだ。リーダー各社が設備投資を増額してもなお株価が下げるなら、市場の天井では良い材料まで売られていることになり、氏の描く連鎖が現実に進んでいることになる。そうなれば値付けがやり直されるのは、AIモデルを学んで使いこなす価値の有無ではなく、AIインフラ整備に誰が、どれだけのコストでカネを供給するかだ。
Get Chips by email, free
How AI demand is reshaping chipmakers, memory and the fabs behind them. In our daily email, every weekday.






