米FERC、データセンター需要予測で52億ドルのガス導管を認可 必要性を巡り裁判所が審査へ

土地所有者や地域住民団体は10月1日、サウス・システム・エクスパンション4(SSE4)とミシシッピ・クロッシング(Mississippi Crossing)の両ガス導管に対する米連邦エネルギー規制委員会(FERC)認可の取り消しと、その根拠となったデータセンター需要予測の検証を、米コロンビア特別区連邦控訴裁判所に求めた。キンダー・モーガンは工程は予定どおりとしている。続く150マイル(約240キロ)は今四半期に事前申請(プリファイリング)手続きに入る。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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米連邦エネルギー規制委員会(FERC)のローラ・スウェット(Laura Swett)議長
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FERCのスウェット議長は、米南東部にはガス導管が「明確に必要」だと主張する。申立て側が取り消しを求めたのは、同委員会が7月31日に両導管に出した認可だ。

最初の溶接より先に訴訟

10月1日、土地所有者や地域住民団体が、認可済みの500マイル(約800キロ)に及ぶガス導管の取り消しをコロンビア特別区連邦控訴裁判所に求めた 1。対象はFERCが7月31日に認可したサウス・システム・エクスパンション4(SSE4)とミシシッピ・クロッシング。ジョージア、アラバマ、ミシシッピの3州を横断する総額約52億ドルのガス導管で、そのうえ電力需要家には燃料費も上乗せされる 12。

キンダー・モーガンは、事業は予算・工期とも予定どおりで、用地の取得は進行中、建設は未着手と説明する 3。ミシシッピ州の土地所有者、トニー・ヒントン氏は自らの松林を貫くルート案を見てきた。「補償金よりも木を残したい。ただ、それは感傷にすぎない」4。

必要性を巡る攻防、2つの報告書対1つの需要予測

申立て側は、FERCが需要を検証しないまま両プロジェクトを認可したと主張する。申立て側の依頼を受けたロンドン・エコノミクス・インターナショナルは、SSE4は容量の16.4%に妥当な需要の裏付けがある一方、容量の76%超、ミシシッピ・クロッシングでは83%に信頼できる需要はないと結論づけた 2。同委員会に提出されたIEEFAの調査は、両プロジェクトを「電力会社が顧客にデータセンターへの補助負担を強いる試みだ」と批判する 5。

申立て側の調査会社、容量の76~83%に信頼できる需要なし

  • 信頼できる需要なし
  • 妥当な裏付けあり
0%50%100%SSE4ミシシッピ・クロッシング83%
Data
信頼できる需要なし妥当な裏付けあり
SSE476%16.4%
ミシシッピ・クロッシング83%—
申立て側の依頼でロンドン・エコノミクス・インターナショナルが算定した、各ガス導管の契約容量に占める割合。サウス・システム・エクスパンション4(SSE4)は最大76%、ミシシッピ・クロッシングは83%で信頼できる需要を欠き、SSE4の16.4%に妥当な裏付けがある。出典:Columbus Ledger-Enquirer(MSN経由)。2

買い手は売り手の身内である。サザン・ナチュラル・ガスは、キンダー・モーガンとサザン・カンパニーが半分ずつ出資する導管会社で、ジョージア・パワーやアラバマ・パワー、ミシシッピ・パワー、アトランタ・ガス・ライトにガスを輸送することになる 2。容量契約の価格は非公開で、費用はそのまま料金需要家に転嫁される 5。

建設は計上済み、需要は予測

キンダー・モーガンはSSE4を約35億ドル、ミシシッピ・クロッシングを17億ドルとし、合計96億ドルの受注残高に計上している。受注残高の6割超は発電事業者と地域ガス配給会社向けで、供用開始は2028年以降の見通しだ 6。

係争中の2プロジェクトはキンダー・モーガンの受注残高96億ドルのうち52億ドル

  • サウス・システム・エクスパンション4(SSE4)$3.5B36.5%
  • ミシシッピ・クロッシング$1.7B17.7%
  • その他すべてのプロジェクト$4.4B45.8%
Data
SliceValueShare
サウス・システム・エクスパンション4(SSE4)$3.5B36.5%
ミシシッピ・クロッシング$1.7B17.7%
その他すべてのプロジェクト$4.4B45.8%
キンダー・モーガンのプロジェクト受注残高(2026年第2四半期、単位:10億ドル)。受注残高の6割超は発電事業者と地域ガス配給会社向けで、供用開始は2028年以降の見通し。出典:キンダー・モーガン2026年第2四半期決算(Business Wire経由)。6

サザン・カンパニーは売上に先行して設備投資を進めている。2026年第2四半期の設備投資は31億3000万ドルと前年同期比19%増となり、売上高は同0.1%増にとどまった 7。株価は9月23日、52週安値の83.73ドルをつけた 8。

同じ需要予測が、2つの形で需要家の請求書に載ってくる。グーグルは自ら名乗りを上げ、提案中の料金メニュー「NU-1」を通じてボグル、ハッチ両原発の出力増強(アップレート)96メガワット分の費用を負担すると申し出た。ジョージア・パワーは、契約しない需要家を守る仕組みだと説明する 8。一方、契約したガス容量の容量予約料金は、家庭や小規模事業者の請求書では燃料費として徴収される——ジョージア・パワー自身の証言だ 2。

設備投資19%増、売上高0.1%増――販売が足踏みでも投資を続けるサザン・カンパニー

  • 売上高
  • 設備投資
$2$4$6$8$1024年3Q24年4Q25年1Q25年2Q25年3Q25年4Q26年1Q26年2Q需要をめぐる争いが法廷へ
Data
売上高設備投資
24年3Q$7.27$2.21
24年4Q$6.34$2.52
25年1Q$7.78$2.6
25年2Q$6.97$2.64
25年3Q$7.82$3.1
25年4Q$6.98$4.05
26年1Q$8.4$3.2
26年2Q$6.98$3.13
サザン・カンパニーの四半期別売上高と設備投資(単位:10億ドル)。米証券取引委員会(SEC)への提出資料(Sharadar経由)による。2026年第2四半期は、10月1日の申立て前に決算が発表された最後の四半期。7

対抗する側にも書類はある

FERCのローラ・スウェット委員長は、同地域には導管への「明確な需要」があると述べる。委員会の環境審査も、緩和策を講じれば影響は「重大ではない」との結論を出した 910。

キンダー・モーガンの受注残高は、通常、計画容量の90%超をカバーする拘束力のある契約を土台として成り立つ。米南東部の電力各社は大口需要家からの接続要望を200ギガワット超と数え、うち50ギガワット超は交渉が最終段階にあるか、すでに契約済みだ 3。接続待ちの列は発電所ではない。関連会社同士の契約も市場ではない。

決着を左右する日程

最初に来るのは、米コロンビア特別区連邦控訴裁判所での書面弁論、11月5日のサザン・カンパニー第3四半期決算、そしてグーグルの料金メニューを扱うジョージア州公共サービス委員会(PSC)のドケット(案件番号)44280と56002だ 8。100メガワット超のデータセンターに、自らが引き起こす送電網コストを負担させる「料金需要家保護法(Ratepayer Protection Act)」は米下院を417対3で通過し、米上院で審議を待つ 8。

キンダー・モーガンはテネシー州にまたがる次の150マイル(約240キロメートル)の調査を進めており、事前申請(プリファイリング)手続きを今四半期中に完了する 11。一方、FERCが9月10日に認可した追加の日量12億立方フィート(1.2Bcf/日)の増強事業では、サザン・カンパニーがその3分の2に当たる容量を20年契約で押さえた 9。

予測が正しいのか、2つの報告書が正しいのか。審理記録はまだ何も語っていない。需要をめぐる争いは、いまや事件番号を手にした。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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